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小説 ほな、また4.恋と小さな嘘1

(これは小説です)

4.恋と小さな嘘1

バレンタインが近づいて来た。
私は、“アイツの好きな青い色のマフラー”を編んで贈ることにした。

『もう、あんまり日がないなぁ』
友達と買い物に行った時に、“青色の毛糸玉”を幾つかと“編み棒を”買って来た。

私でも出来る編み方は幼い頃に教えてもらっていた。
教えてくれたのは、この寄宿舎を卒業して行った先輩達…。
障害を持っていても、それぞれに出来る編み方があることを先輩達は
教えてくれた。
自分の編み方を見せてくれたり…、私が出来る編み方を一緒に考えて
くれた。

私は、記憶を繰り寄せてみた。
『え~っと、こうして…、次はこうして…、思い出した…!』
「まだ編める…!、よかった!」

私は、毛糸と編み棒を紙袋に入れて、いつでも編めるようにした。
グループ活動の時も、ちょっと部屋にいる時も、アイツのことを待って
いる時も、とにかく私は、“マフラー”を編んでいた。

アイツには内緒にしていたかったが、迫り来るバレンタイン…、
“一緒にいる時には編まない”なんて余裕はなかった。

-“恋と小さな嘘”2へ続く-











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小説 ほな、また3.幸せと戸惑い5

(これは小説です)

3.幸せと戸惑い5

この頃、私とアイツは、お互いの上着を交換してみたり、
私がアイツのウォークマンを使って音楽を聞いていたり…、
周りの友達が見ても、たぶん…、仲良しだった。
「お前らほんまはどうなってんねん…?」
「えっ…?、何が…?、何で…?」
「2人、いつも一緒にいるやん!」
「えっ…、そうか…?、別に…」
友達の問いに、いつも中途半端な答えをするアイツ…。
『だから…、どうなん…?』私がその応えを聞きたいと思っていた。

寄宿舎での夕食後のグループ活動、アイツのグループは、
大体は、食堂に集まっていた。
私のグループの活動の方が早く終わることが多かった。
だから、自分のグループの活動が終わった後、私はいつも、
グループ活動を終えて出て来るアイツを食堂の側で待っていた。
“いつものスペース”でアイツとの“いつも時間”を過ごしたくて…。
「またアイツのこと待ってるのか…?」
「えっ…?」
「毎日待ってるよなぁ…、よくやるよな、しんどくないん…?」
ある日、私に友達が言ってきた。
『あっ、ばれてる!』

しばらく待っていると、食堂から出て来たアイツが、当たり前に、
待っていた私の車椅子を押して、“いつものスペース”に向かった。
「どうもどうも!」
アイツは、いつものように笑顔で言った。
『これやから…、ズルいよなぁ』
私は、心で呟いた。

-“幸せと戸惑い”終わり-









小説 ほな、また3.幸せと戸惑い4

『ほな、また』

3.幸せと戸惑い4

私達は、ゲームセンターと買い物で時間を過ごし、ディナーに
“ハンバーグ”を食べた。
映画の時間まで、まだ結構あったはずなのに…、いつの間にか
すぐそこまで迫っていた。
「早よ食べ~!」
のんびり食べ過ぎな私は、アイツに急かされることになった。

2人で観た映画は、私が一番観たかった“バッグトゥザフィーチャー”
だった。
“ドキドキ”の時間は、幸せな時間だった。

帰りの電車、駅のエレベーターが止まってしまっていた。
「え~!、どうしょう~!」
「大丈夫、抱えるし…!」
焦る私にアイツは何でもなく言い、車椅子から私を抱きかかえ、
そのまま階段を上がった。
「重いから!」
そう言っている間に、私は、階段の上にいた。
それからアイツは、車椅子も階段の上に運んでくれて…、
私を丁寧に車椅子に座らせてくれていた。

『デートやったんかなぁ…?』
私は、その夜、ドキドキを思い出していた。
『アイツは、どう思ってたんやろう…?』
ちょっと胸が痛くなった。

-“幸せと戸惑い”5へ続く-












小説 ほな、また3.幸せと戸惑い3

(これは小説です)

3.幸せと戸惑い3

“クリスマスの映画”の日、アイツが家まで私を迎えに来てくれた。
「ありがとうね」
妙に笑顔の母親に見送られて、私達は出かけた。

電車に乗って、映画館のある繁華街に着いた。
人混みの中、アイツといるその場所はいつもと全く違っていた。
「お腹、すいたなぁ…!」
私は…、まず、呟いた。
「何か食べる…?」
私達はランチにファーストフードを食べた。

車椅子の後ろでアイツが言った。
「映画見に行こか」
「うん…!」
私は、上から降って来たようなアイツの声に“ドキッ”として応えた。
「どっちの映画の方が観たいん…?」
「バッグトゥザフィーチャーかな!」

「ラストなら入って頂けますが…?」
“サンタクロース”の映画館でも同じことを言われた。
「どうしょうか…?」
『観るのは無理かな』そう思って聞いた私にアイツは応えた。
「どっちもラストなら、観たい方観たら!」
『えっ、そっち…!』私は、新しいことを教えてもらった子供の
ように、ドキドキした気持ちになった。

-“幸せと戸惑い”4へ続く-











小説 ほな、また3.幸せと戸惑い2

3.幸せと戸惑い2

冬休み、アイツと2人で映画を観に行こうということになった。
私もアイツも冬休みの外泊中で、自宅で過ごしていた。

私達は、それぞれの自宅で電話で話した。
「クリスマスも近いしなぁ」
「“サンタクロース”か“バッグトゥザフィーチャー”が観たいなぁ、
でも…、どっちも人気やし…、いっぱいやし…、車椅子、
入れてもらえへんかなぁ…?」
「さぁ…、どっちか入れるやろう…!」
「うん!、そうやな!、ちょっと待たなあかんかもやけどな」
「暇やったら、ゲームセンター行ったらええやん」
「ゲームセンター…?、入れてもらえるかなぁ…?」
「何で…?、大丈夫やろ」
アイツは、何でもないことのように言った。
“クリスマスの映画”と“ゲームセンター”アイツと2人で…!
私は、ワクワクのクリスマス気分で幸せを感じていた。

「映画観に行って来る」
「えっ…?、誰と…?」
「○○○○と」
「そう、行って来たら」
少しドキドキしながら言った私に、母親は、こともなげに応えた。

私は、すっかりアイツに恋をしていた。
そして…、私は、アイツの気持ちも気になるようになっていた。

-“幸せと戸惑い”3へ続く-

















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