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小説 ほな、また6.ラブレターと新しい友達1

(これは小説です)

6.ラブレターと新しい友達1

「ああ…、それは…、何も思ってなかったしやん…!」
「一緒に描かれてた人のことも…?」
「うん、何も思ってへんよ」

“黒板の愛愛傘”のおかげで、アイツが彼女のことを何とも思っていない
ことをアイツの口から聞くことが出来た。
私の心には、安心が生まれた。
でも…、ずっと気づかないふりをしていた思いが、切なく…、ヒョコっと
心の真ん中に現れた。
『アイツは…、私のことをどう思ってるんだろう…?』ドキドキと共に、
『私の気持ちをハッキリ伝えたい』という思いが鮮やかなクレヨンで
ぬりえをするように心にサァ~っと広がっていくのを感じた。
『そうやっ!、アイツに手紙書こう、ラブレター!』私は、バレンタイン
の時の“これからもよろしく”の手紙ではなく、“あなたのことが好き”の
手紙…、“ラブレター”をアイツに書くことを決めた。

アイツへの“ラブレター”が出来た。
『伝わるかなぁ…?』私は、グループ活動の後の“いつもの2人の時間”に
アイツに渡した。
「えっ…、何…?、僕に…?」
「うん、読んでな…!」
アイツは、少し戸惑ったように、私のラブレターを受け取った。
「返事くれたら嬉しいな…!」
私の心では…、手紙を渡せた安心と不安とアイツへの愛しさが、ドキドキ
と共に混じり合っていた。

-“ラブレターと新しい友達”2へ続く-













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小説 ほな、また5.恋と戦い5

(これは小説です)

5.恋と戦い5

朝、いつものように教室に入ると、黒板にチョークで大きな“愛愛傘”
が描かれていた。
愛愛傘には、アイツと彼女の名前が書かれてあった。
アイツは、何気なく、私を席に着けて、自分も席に着いた。
『気づかない訳ないよなぁ…?』
からかう友達もいたが、アイツは、何も反応しなかった。
『彼女が描いたんやろう…!』私は思った。

私はアイツが“愛愛傘”に何の反応もしなかったことに腹が立った。
寄宿舎に帰っても、アイツと口をきかずにいた。
“いつもの2人の時間”も、私は黙ったままだった。
「何か怒ってんの…?」
アイツは、何度も聞いてきた。
『何かって…!』私は、ますます腹が立った。

就寝時間になった。
「もう、部屋に戻らなあかんねんけど…」
「…」
「気になって、寝られへんわ!」
私は、その言葉に反応した。
「だって…、愛愛傘のこと、何も言わへんかったやん…」
「何もって…?」
「怒りも、否定もせぇへんかったし…」
「ああ…、それは…、何も思ってなかったしやん…!」
「一緒に描かれてた人のことも…?」
「うん、何も思ってへんよ」
「ふ~ん、そうかっ!」

私達は、“おやすみ”を言ってそれぞれの部屋に戻って行った。

-“恋と戦い”終わり-













小説 ほな、また5.恋と戦い4

(これは小説です)

5.恋と戦い4

放課後に訓練に残っている私は、1人でゆっくり車椅子をこいで
訓練室に向かっていた。

後ろから誰かの足音が近づいて来た。
「1人なん…?」
話しかけて来たのは、足音の主の“彼女”だった。
「訓練室やろ、送ってあげる!」
「えっ…、バスは…?」
彼女は通学組、スクールバスに乗って帰るため、こんな時間は滅多に
ちゃんと話すことはなかった。
「バスはまだ大丈夫やから!」
ちょっと戸惑う私に構わす、彼女は車椅子を押し始めた。

「○○○○くんとどうなってんの…?」
突然、彼女が聞いてきた。
「えっ…、どうなってるって…?」
私はドキドキしながら聞き返した。
「2人、仲良しやん!、付き合ってんの…?」
かなり胸がザワザワしてドキッとした。
「えっ…、どうなんやろ、わからん」
笑顔で応えてみた。
「ふ~ん、そうなんや!」
彼女は、さらりと返した。

『目的はそこか~、気にしてるんやなぁ…』
訓練室に着いて、彼女と別れてから、私は思った。
『付き合ってなんかないもんなぁ…』

-“恋と戦い”5へ続く-










小説 ほな、また5.恋と戦い3

(これは小説です)

5.恋と戦い3

創作劇の配役、犯人役が“アイツと車椅子の友達”に決まった。
犯人が窓口にいる銀行員にナイフを突き付けるというシーンの“ナイフを
突き付けられる銀行員の役“を決める流れになり、司会が立候補を募った。
「やりたい人いますか…?」
「はい!」
彼女の声が教室に響いた。
『あ~、そうか~!、アイツとの距離が凄く近くなるもんなぁ…!』
私には、彼女の気持ちが解ってしまった。
『私も…!』とは思ったが、何となく彼女の勢いに引いてしまった。
“犯人にナイフを突き付けられる銀行員”の役は、彼女に決まった。
私は、仲のいい友達と2人で“ナイフを突き付けられる彼女”の両側に
座っている銀行員役になった。
練習の度にアイツとの距離が近すぎる嬉しそうな彼女を彼女の隣で
見ることになった。
「ナイフ、突き付けられてるのに、何でにやけてんねん!」
『ほんまやわ!』友達の言葉に私は大きく共感した。
何度やっても、アイツが彼女の胸ぐらを掴むような仕草をする度、
彼女からは嬉しそうな雰囲気が伝わってしまう。
「もう1回やってみ!」
脚本を造った彼は、彼女からのその雰囲気が納得出来ないらしく、
そのシーンの練習を何度も繰り返していた。

-“恋と戦い”4へ続く-











小説 ほな、また5.恋と戦い2

(これは小説です)

5.恋と戦い2

文化祭は、クラスごとに発表を行う。
この年、私達のクラスは、ホームルームでもめた結果、“創作劇”を
することになった。
演劇に興味があった私はちょっとワクワクした。
どんなことを題材にするのか、脚本はどうするのかを話し合い
“銀行強盗の話…、で、主人公は銀行強盗”ということに決まった。
ストーリーは、クラスの男子が1人で考えたものだった。
“男2人組が銀行強盗をしてしまい、警官に追いかけられて、
捕まって、取り調べを受け、お金が欲しくて強盗に入ったことを
告白する”という感じで、コントのようなドタバタ劇だった。
ストーリーを考えた彼は、ちょっと引いてしまうほど、
このストーリーに力を入れているようだった。
“ストーリーをちょっと変えた方がいいのでは…?”という意見が
出て言い合っていた時、彼のいつもとは違う荒い言葉と、
ストーリーが書かれたファイルが飛んで来た。

『何のこっちゃ…!、銀行強盗て…』隣の席の友達と苦笑いした。
アイツの方を見ると、あんまり興味はなさそうな様子だった。
アイツに向けられた彼女の視線を感じて、うっとうしく思った。
『彼女の興味は、脚本のストーリーよりアイツなんやろなぁ…』
私は、自分のことは棚に上げて思っていた。

-“恋と戦い”3へ続く-












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