『ほな、また』
3.幸せと戸惑い4
私達は、ゲームセンターと買い物で時間を過ごし、ディナーに
“ハンバーグ”を食べた。
映画の時間まで、まだ結構あったはずなのに…、いつの間にか
すぐそこまで迫っていた。
「早よ食べ~!」
のんびり食べ過ぎな私は、アイツに急かされることになった。
2人で観た映画は、私が一番観たかった“バッグトゥザフィーチャー”
だった。
“ドキドキ”の時間は、幸せな時間だった。
帰りの電車、駅のエレベーターが止まってしまっていた。
「え~!、どうしょう~!」
「大丈夫、抱えるし…!」
焦る私にアイツは何でもなく言い、車椅子から私を抱きかかえ、
そのまま階段を上がった。
「重いから!」
そう言っている間に、私は、階段の上にいた。
それからアイツは、車椅子も階段の上に運んでくれて…、
私を丁寧に車椅子に座らせてくれていた。
『デートやったんかなぁ…?』
私は、その夜、ドキドキを思い出していた。
『アイツは、どう思ってたんやろう…?』
ちょっと胸が痛くなった。
-“幸せと戸惑い”5へ続く-
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