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小説 僕のいもうと4

『僕のいもうと』4

お兄ちゃんは、○○くんのことをとても可愛がっていました。
○○くんは、私のクラスメートで私と同じように体に障害を持っていました。
引っ込み思案の○○くんには、口癖がありました。
「僕あかんわ~」
○○くんは、言語にも障害があり、言葉を聞き取ることは難しいかったのですが、
この言葉だけはいつもはっきり聞き取れました。
「僕あかんわ~」
お兄ちゃんは、○○くんのその言葉にいつも優しく返していました。
「何言うてんの、そんなことないよ」
お兄ちゃんは、よく○○くんの車椅子を押していました。

お兄ちゃんは、ある日、私に提案してくれました。
「僕と手紙の交換しよか!」
「うん、したい!」
私は、凄く嬉しくてすぐに返事をしました。
「○○くんに手紙、預けるから、受け取ってな」
「うん!、わかった!」

手紙の交換が始まって、お兄ちゃんが○○くんの車椅子を押してきて、○○くんが
私に手紙を渡してくれました。
「はい、郵便でーす!」
その日から、何日かに一度○○くんが手紙を届けてくれました。お兄ちゃんは、
○○くんが私に手紙を渡しすのを楽しそうにサポートしてあげていました。
「僕あかんわ~」
「また言ってる、そんなことないよ、僕の郵便屋さんなんやから!」

私は、嬉しかったこと、嫌だったこと、お兄ちゃんたちと散歩に行って楽しかった
ことなんかを手紙に書いてお兄ちゃんに届けました。
お兄ちゃんからの手紙は、部屋の自分のスペースに可愛いレターラックをさげて、
大切にしていました。

-僕のいもうと5へ続く-














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小説 僕のいもうと3

『僕のいもうと』3

お兄ちゃんが声をかけてくれました。
「またみんなで体育館に行くんやけど、一緒に行くか…?」
「うん!、行く!」
体育館には,大きなトランポリンが置いてありました。
いつも私は、お兄ちゃんたちが高~く飛んでいるのを車椅子に座って
見ていました。
楽しい時間でしたが、この日、お兄ちゃんが言ってくれました。
「僕らと一緒にトランポリンしよか!」
「えっ…?」
「見てるだけより、もっと楽しいで!」
「うん!、やりたい!」
お兄ちゃんが抱っこして、私をトランポリンの真ん中に寝かせて
くれました。
「いいか…?、いくで!」
お兄ちゃんたちはそう言って、いつものように飛び始めました。
“ポーン、ポーン、ポーン”
私の体は、飛んでいるお兄ちゃんたちと一緒に弾みました。
私は、楽しくてケタケタ笑い出しました。
「大丈夫…?」
「うん!楽しい!」
「よーし、ほんなら、もっと高~くいくで!」
お兄ちゃんたちはもっと高~く飛びました。
“ポ~ン、ポ~ン、ポ~ン”
私の体ももっともっと高~く弾みました。
『うわ~、飛んでるみたい!』
私は、近づく天井に“不思議”を感じながら、さっきより激しく
ケタケタ笑っていました。

-僕のいもうと4へ続く-











小説 僕のいもうと2

『僕のいもうと』2

私は、とにかくよく泣いていました。
「どうしたん…?、何かあったん…?」
「…、…、…」
「そうか~、ごはんまでみんなで散歩行こか!」
そんな時、お兄ちゃんは、いつものお姉ちゃんたちと一緒に近くのお寺まで
散歩に連れて行ってくれました。
お寺には売店があり、そこでみんなでお菓子を買って食べたり、お話したり
していると、泣いていたことなんて忘れてしまっていました。
「やっと笑ったな!」
笑顔になっている私を見て、お兄ちゃんは嬉しそうにそう言ってくれるのです。
「もう泣かんときや」
「ほんまや、せっかくかわいいねんから」
お兄ちゃんと、お姉ちゃんたちが私に、そんなことを言いながら、私の車椅子
を押して、寄宿舎に帰って行きます。

「あかん!、ごはん遅れる!」
「ほんまや!」
「ちょっと走るで!」
「うん!」
凄いスピードでお兄ちゃんが押し始めた私の車椅子を追いかけて走っている
お姉ちゃんたち、走る車椅子…、みんなの焦る気持ちをよそに、私はいつも
ワクワク楽しくなってきます。
『ジェットコースターみたい!』

-僕のいもうと3へ続く-









小説 僕のいもうと1

小説『僕のいもうと』1

随分歳を重ねた今でも、思い出すと心がふわっと幸せになります。
まだほんの子供だった私には、大好きなお兄ちゃんがいました。
小学生だった私とは歳の離れた高校生のお兄ちゃん。
お兄ちゃんは、カッコ良くて優しくて、私をとても可愛がってくれていました。

生まれた時から体に障害を持っている私は、ずっと車椅子で生活しています。
“歩けない”ということは、その頃の私にとっては、既に当たり前のことになって
いました。
私は障害を持った子供たちが通う学校に隣接する寄宿舎で生活していました。
家族と離れて生活することも、“歩けない”ということと同じくらい当たり前のこと
になっていました。
寄宿舎には、たくさんの先生もいるし、お兄ちゃんたちやお姉ちゃんたちも
可愛がってくれるし、大好きなお兄ちゃんもいるし…!

大好きなお兄ちゃんは、障害を持っていますが、片足を引きずりながらも走る
その姿は、私の眼には、とてもカッコ良く映っていました。
少し不自由なその手で抱き上げてくれたり、時には、おんぶだってしてくれたり…。
そんなお兄ちゃんの周りには、いつも、友達がたくさんいました。
もちろん、女の子にも人気がありました。

いつもお兄ちゃんと一緒に遊んでくれるお姉ちゃんもいて、そ
私をいつも優しく包んでくれていました。

-僕のいもうと2へ続く-









詩 必要なもの

詩『必要なもの』

大きな家あっても一人では淋しい
沢山のお金があっても一人では淋しい

沢山の人たちと一緒にいても心が一人では淋しい
お腹いっぱいごはんを食べても一人では満たされない

暖かい毛布があっても一人では心がスースー
暖かい洋服があっても一人では心は冷たい

本当に心が求めているものはなんでしょう…?
それがきっと本当に必要なものなのでしょう…?











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