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小説 ほな、また8.公衆電話と白い車4

8.公衆電話と白い車4

職員に呼ばれて電話に出ると、アイツの声が聞こえてくる。
「下に来てるんやけど」
解っている言葉でも、私の心はパっと明るくなった。
私は、施設に入所してから使い始めたモーターが付いた“電動車椅子”を
運転してエレベーターで1階に降りた。
最初は、アイツが上に上がって来てくれて一緒に下に降りていたが、
詰め所で書かされる面会簿がオックウになったのか、職員に声を
かけて私を呼んでもらうのがオックウになったのか、いつの間にか
下にある公衆電話から私に電話をかけてくるようになった。

長い廊下を進み、外に繋がる扉が見えると、公衆電話の横にアイツが
立っている。
「長いこと待った…?」
「いや、あんまり…」
「そうかっ、よかった!」
アイツが自動販売機で缶ジュースを2つ買ってベンチに座り、
オレンジジュースのプルトップ開けて、ベンチの隣にいる電動車椅子
の私に渡してくれて、私達は時間を過ごす。
アイツが私を笑かそうとして、私がジュースを吹き出しそうに
なったり、アイツの仕事の話を聞いたり、私の話を聞いてもらったり、
時には高校生の頃の思い出話をしたり…、また新しい“いつもの時間”
になっていた。

-“公衆電話と白い車”5へ続く-















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