(これは小説です)
6.ラブレターと新しい友達5
『あ~あ…!、何で、あんな手紙書いたんやろう…?』
私はため息混じりに思った。
『もう3日やなぁ…』アイツと話さない時間が流れて…、
それは永遠に続くように思えた。
アイツとすれ違う度に、ドキッとして声が出なくなってしまう。
数学の授業が始まる前、授業で使う道具を机の上に出して
もらった私は、ちょっと筆箱を動かした。
その時、机の上にあったファイルも動いてしまい、床に落ちてた。
『あ~あ…』ウンザリした気分で床に視線を落とすと、
歩ける友達のスニーカーが何足か見えた。
私は、床を見たまま、スニーカーの主に声をかけた。
「なぁ、ごめん、ファイル拾て…!」
「えっ…?、これ…?」
その声にドキッとして顔を上げると、アイツがそこにいた。
「うん、それ、ありがとう!」
私は、ドキドキしながら応えた。
「何やってんの、どんくさいなぁ…!」
「もう、うるさいなぁ…、だって…!」
その瞬間をきっかけに、私にいつもの時間が戻ってきた。
『やっぱり、一緒に居られるのがいいよな…、“新しい友達”か~、
まあ、どっちでもいいかっ…!』
-“ラブレターと新しい友達”終わり-
PR