(これは小説です)
6.ラブレターと新しい友達1
「ああ…、それは…、何も思ってなかったしやん…!」
「一緒に描かれてた人のことも…?」
「うん、何も思ってへんよ」
“黒板の愛愛傘”のおかげで、アイツが彼女のことを何とも思っていない
ことをアイツの口から聞くことが出来た。
私の心には、安心が生まれた。
でも…、ずっと気づかないふりをしていた思いが、切なく…、ヒョコっと
心の真ん中に現れた。
『アイツは…、私のことをどう思ってるんだろう…?』ドキドキと共に、
『私の気持ちをハッキリ伝えたい』という思いが鮮やかなクレヨンで
ぬりえをするように心にサァ~っと広がっていくのを感じた。
『そうやっ!、アイツに手紙書こう、ラブレター!』私は、バレンタイン
の時の“これからもよろしく”の手紙ではなく、“あなたのことが好き”の
手紙…、“ラブレター”をアイツに書くことを決めた。
アイツへの“ラブレター”が出来た。
『伝わるかなぁ…?』私は、グループ活動の後の“いつもの2人の時間”に
アイツに渡した。
「えっ…、何…?、僕に…?」
「うん、読んでな…!」
アイツは、少し戸惑ったように、私のラブレターを受け取った。
「返事くれたら嬉しいな…!」
私の心では…、手紙を渡せた安心と不安とアイツへの愛しさが、ドキドキ
と共に混じり合っていた。
-“ラブレターと新しい友達”2へ続く-
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