(これは小説です)
5.恋と戦い4
放課後に訓練に残っている私は、1人でゆっくり車椅子をこいで
訓練室に向かっていた。
後ろから誰かの足音が近づいて来た。
「1人なん…?」
話しかけて来たのは、足音の主の“彼女”だった。
「訓練室やろ、送ってあげる!」
「えっ…、バスは…?」
彼女は通学組、スクールバスに乗って帰るため、こんな時間は滅多に
ちゃんと話すことはなかった。
「バスはまだ大丈夫やから!」
ちょっと戸惑う私に構わす、彼女は車椅子を押し始めた。
「○○○○くんとどうなってんの…?」
突然、彼女が聞いてきた。
「えっ…、どうなってるって…?」
私はドキドキしながら聞き返した。
「2人、仲良しやん!、付き合ってんの…?」
かなり胸がザワザワしてドキッとした。
「えっ…、どうなんやろ、わからん」
笑顔で応えてみた。
「ふ~ん、そうなんや!」
彼女は、さらりと返した。
『目的はそこか~、気にしてるんやなぁ…』
訓練室に着いて、彼女と別れてから、私は思った。
『付き合ってなんかないもんなぁ…』
-“恋と戦い”5へ続く-
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