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小さな羽根Ⅳ天使の苦悩5

(これは物語です)

『小さな羽根』


Ⅳ 天使の苦悩5


「あら、ジュナ、今日は、ずいぶん早いのね」
「ああ…」
「今日は、もう、何処にも行かないの…?」
「ああ…、行かないよ」
「どうしたの…?」
「ちょっと背中が痛くて…」
「大丈夫…?」
「大丈夫だよ、少し休んだら治るよ」
「きっと張り切り過ぎたのよ」
「そうだね」
「今日は、ゆっくりしていたらいいわ」
「ああ、そうするよ」

その日、まだ夜の浅いうちに帰ってきたジュナは、日が経つに連れ、
早い時間に帰ってくるようになっていきました。
ミーメは、ジュナの体に異変がおきていることを感じ始めました。

「ジュナ…、しばらく仕事は休んで…!」
「これくらいのことで休んでいられないよ」
「でも…、辛そうよ、お願い、無理はしないで!」
「大丈夫だよ…!」

ジュナもまた、自分の体の異変に気づき始めていましたが、それを振り切る
ように、ミーメがどれほど頼んでも仕事を休もうとはしませんでした。

「これが、神様がおっしゃっていた新たな痛みなら、僕は耐えなきゃ
ならないんだ!、僕には耐えられる!、大丈夫だよ!」

一緒に仕事をしている時も、食事をしている時も、二人で休んでいる時も、
ミーメは、ずっとジュナを心配していました。
魂を抱いて“エデン”へと飛び続けるジュナを止められないまま、ずいぶん時が
過ぎました。

「ジュナ…、お前、本当に大丈夫なのか…?」
「大丈夫さっ」
「凄く辛そうに見えるけど…」
「何でもないよ」
「いや、今日は、早く休んだ方がいいんじゃないか…?」
「そうよ、ジュナ…、ミーメも心配そうよ…」
「大丈夫だよ、あともう少しだから…」

ジュナは、仲間たちの前では、痛みの辛さを出さないように
していましたが、あんなに幸せそうだったジュナの笑顔は徐々に消え、
その顔はどんどん苦痛にくもっていきました。
仲間たちから見ても、ジュナの辛さは日に日に明らかになっていきました。

「大丈夫だよ、これは、僕が乗り越えなきゃいけないことなんだ!」

そう言って倒れ込んでしまったジュナの背中は、右の羽根の根本のところから
赤くなって、大きく腫れ上がってしまっていました。
それを目にしたミーメは、自分だけでは動かせないほどになってしまった
ジュナの体を、仲間たちに手伝ってもらい、休める場所に連れて行きました。

「もう、無理よ、ジュナ…」
「わかったよ、ミーメ…、ごめん、みんな…、ありがとう…」


ー“Ⅳ天使の苦悩6”へ続くー







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