(これは物語です)
『小さな羽根』
Ⅲ 名前のない天使6
「あっ、ごめんなさい…、私のことばかり…」
「いいえ…」
「あなたたちのお話を聞かせて下さい」
ジュナは、小さなこの羽根のために、ずっと苦しんできたこと、
そんな自分を支えてきてくれたミーメのこと…、ミーメと一緒に
長い間飛び続け、神様のところにお願いに行った時のことを話ました。
そして、神様には願いを叶えてもらえずに、絶望して、自分になれる
方法を探し、“名前のない天使”のことを知り、再び、ミーメと一緒に
飛び続け、ここへ辿り着いたことを…。
「お話して下さってありがとうございました…、よく解りました」
「いえ、聞いて下さってありがとうございました」
「でも、その羽根を大きくすることは…」
「それなら、この小さな羽根をもぎ取って、造りものの羽根をつけて
頂いても構いません!」
「それなら可能です」
“天使”は、ジュナに誓約書を手渡しました。
「まず、これにサインして下さい、今後のことは、自己責任ということで
お願いしたいので…」
「わかりました!」
ジュナは、すぐに誓約書にサインをして、“天使”に渡しました。
「早速、明日から始めましょう」
「えっ…、明日から…、って…?」
「時間をたくさん頂きますので…」
「わかりました、よろしくお願いします」
ジュナは、真っ直ぐな視線で言いました。
ーⅢ 名前のない天使7”へ続くー
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