(これは物語です)
『小さな羽根』
Ⅲ 名前のない天使3
「ミーメ、一緒に“名前のない天使”のところに行ってほしい…!」
「でも…、神様にだって直して頂けなかったのよ…!」
「だから、行きたいんだよ、望みをかけたいんだ!」
「でも…、新たな異物を背負うことになるって…!」
「造りものの羽根のこと…?」
「ええ…、神様は、そうおっしゃっていたわ…!」
「それでも、僕は耐えられる!」
「でも、神様に背くことになるのよ…」
「それでも僕は…!」
「あなたが心配なの…、私は、今のままのあなたをずっと愛するわ、
私は、ずっとあなたの側にいるわ…!」
「ありがとう…、ミーメ…、だけど…、僕は…、このままではだめなんだ…、
解ってくれ…」
ミーメは、再びジュナの涙を見ることになりました。
ミーメの心には、命をかけて、遠く遠くその手掛かりを求め、一人小さな羽根で
飛び立った時のジュナの心が痛いほど伝わってきました。
「そうよね、ごめんなさい…、それは、あなたの命をかけた願いなのよね…!、
私、少し臆病になっていたわ…、大丈夫、一緒に行きましょう…、今度こそ、
あなたのその願いを叶えに…」
「ありがとう…、ミーメ!」
ー“Ⅲ 名前のない天使4”へ続くー
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