(これは物語です)
『小さな羽根』
Ⅲ 名前のない天使4
「またジュナを見かけなくなったよな…?」
「え…?、帰ってきたんじゃなかったの…?」
「そうなんだけど…、また最近、見かけなくなったんだ」
「今度は、ミーメも一緒によ」
「何処に行ったんだ…?」
ジュナとミーメは、“エデン”の向こうの“名前のない天使”のところを目指して
飛び立っていました。
再び力を取り戻したジュナは、ミーメと手を繋いで、金色の光の中を飛んでいました。
神様のところよりも、ずっとずっと遠く遠く、長い間飛び続けました。
光の色が金色から銀色に変わり、また、しばらく飛ぶと、ぬけるような青い空が
見えてきました。
そこは、青い空と緑と土の大地でできていました。
ジュナとミーメは、緑と土の大地に降り立ちました。
大地を、ずっとずっとずっと歩きました。
そして、一軒の木の家に辿り着いて足を止めました。
ジュナが扉をノックしました。
扉が開き、中からジュナたちと同じ“天使”が現れました。
ところが、ジュナとミーメは、すぐに言葉が出てきませんでした。
そこに立っているのは確かに天使でしたが、それは、ジュナとミーメが
感じただけで、実際にそこに立っている“天使”からは、色も気配も感じる
ことができなかったのです。
ー“Ⅲ 名前のない天使5”へ続くー
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