(これは物語です)
『小さな羽根』
Ⅱ 天使の願い10
「大丈夫…?」
「ああ…」
「とにかく…、しばらく休むといいわ…」
「ああ…、そうするよ…」
「私からみんなに伝えておくわ…、あなたは体調を崩してるって…」
力を失ったジュナを支えながら、やっとの思いで“ここ”に帰ってきたミーメは、
その心と共に体もすっかり疲れきっていました。
ジュナを、何と言って慰めたらいいのかと悩みながら、
いつのまにか眠ってしまいました。
長い間眠っていたミーメは、目を覚まし、ジュナの様子を確かめようと
いつもの場所に行ってみましたが、ジュナはいませんでした。
何日も何日も、ジュナはミーメに姿を見せてくれませんでした。
こんなことは初めてでした。
ミーメはジュナを何日も何日も探しました。
それでもミーメにはジュナを見つけることができませんでした。
『ジュナ…、何処へ行ってしまったの…?』
ずっと探して、ミーメは、ジュナが“ここ”ではない何処かへ
行ってしまったことを理解しました。
ミーメには、もう、ジュナが“ここ”へ帰ってきてくれることを信じて
待つことしかできませんでした。
『ジュナ…、帰ってきてくれるわよね…、きっと…』
ー“Ⅲ 名前のない天使1”へ続くー
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