(これは物語です)
Ⅱ天使の願い7
「ジュナ、ミーメ、お前たちはお互いを思いあい、お互いを守り…、
寄り添って生きている…、それは、お前たちにとって何よりも
幸せなことではないのか…?」
「はい…、彼女がいてくれることは、僕の大きな力になっています」
「ジュナは、そのままのミーメを愛し、ミーメ、お前もまた、
そのままのジュナを愛したのではないのか…?」
「…、私も彼のことをとても愛しています…」
神様はもう一度雲の椅子に座り、ジュナとミーメのことを再び優しく見つめました。
ジュナとミーメの心からの願いは、神様に聞き入れてはもらえなかったのです。
ジュナは、それでもどうしても諦められず、最後の望みをかけて、
もう一度、神様に願いました。
「神様、僕は、仲間たちと同じ本当の僕の姿になりたいのです、
大切なミーメが、もう僕のために悲しまなくてもいいように…、
持って生まれたこの羽根を直して頂くことができないとおっしゃるのなら、
造りものでも構いません、どうか、僕の右の背中の小さな羽根をもぎとり、
左の背中と同じ形の羽根をつけて下さい…!」
「ジュナ…、お前は、そんなに…」
「神様、どうか、解って下さい!」
「ジュナ…、だが、そうすることもまた、持って生まれた体を変えて
しまうことになる、持って生まれたものをもぎとり、新たに造りものを
つける…、それは、ジュナ…、その体に異物をつけることになる…」
「僕はそれでも構いません…、せめて、僕を仲間たちと同じ姿にして
下さい、本当の僕の姿にして下さい…!」
-“Ⅱ天使の願い8”へ続く-
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