(これは物語です)
『小さな羽根』
Ⅱ天使の願い5
「ジュナ…、ミーメ…、久しぶりだな…」
「はい…、お久しぶりでございます」
「よくここまで辿り着いたな…」
「はい…、ありがとうございます…」
雲の椅子に座った神様は、優しく微笑み、ジュナとミーメを見つめました。
ジュナは、待ちきれない様子で深呼吸をして、真っ直ぐに神様の方を見ました。
「神様…!、今日は、お願いにまいりました…!」
神様は、静かにジュナの次の言葉を待ちました。
「僕の右の背中の小さな羽根を、左の背中の羽根と同じにしてほしいのです!」
ミーメがジュナの隣で、今にも泣き出しそうな瞳をして見守っていました。
「神様、お願いです、僕を仲間と同じ姿にして下さい…!、本当の僕の姿にして下さい…!」
ジュナが重ねた言葉に神様は、ジュナよりも深い深呼吸をしました。
「ジュナ…、それはな、私には、できないんだ…」
「えっ…、何故ですか…!?」
「私は、全ての者に、持って生まれたものを変えることを禁じてきた、たがら…、お前が持って生まれたその羽根を変えることはできないんだ…!」
「変えるのではありません…、間違って生まれたこの姿を本当の僕の姿に直してほしいのです…!」
「それでも…、やはり…、生まれたままを変えることになる…」
ー“Ⅱ天使の願い6”へ続くー
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