(これは物語です)
『お姉ちゃんたち』
ちびちゃんは、家族と離れて、ちびちゃんと同じように立って歩くことが
できなかったりするお友達と学校の寄宿舎で暮らしていました。
寄宿舎には、ちびちゃんより年上のお姉ちゃんも暮らしていました。
お姉ちゃんたちは、ちびちゃんに色んなことを教えてくれました。
まだ小さなちびちゃんは、お姉ちゃんたちに怒られたりすることもありました。
だけど、ちびちゃんは、お姉ちゃんたちが大好きでした。
自分と同じようにハンディがあっても、編み物をしたり、自分より速く上手に
お洋服を着替えたり車椅子をこいだりするお姉ちゃんたちのことをかっこいい
と思っていました。
『私も大きくなお姉ちゃんたちみたいになれるかなぁ…?』
今日、中学部を卒業したお姉ちゃんが寄宿舎を出て違う学校に転校して
行きます。
寄宿舎を出て行くお姉ちゃんにみんなでお別れをしていました。
色々なことを教えてもらって、憧れていたお姉ちゃんです。
ちびちゃんもとても淋しい気持ちでお姉ちゃんを見送っていました。
お姉ちゃんは、泣かないでちゃんとみんなに挨拶をしていました。
『やっぱり、お姉ちゃんだから凄いなぁ…!』
ちびちゃんは思いました。
「こら~!」
みんながそれぞれにお姉ちゃんにお別れをする中、大きな声が聞こえてきました。
ちびちゃんがびっくりして、声のした方を見ると、やっぱりいつもちびちゃん
に色んなことを教えてくれて、ちびちゃんが憧れているお姉ちゃんが、車椅子を
こぎながら涙をながしていました。
『仲良しだったのに、淋しくないのかなぁ…?』
ちびちゃんが見送りに来る時、そのお姉ちゃんは、一人お部屋に残っていました。
ちびちゃんは、不思議に思いながら、お部屋を出て来たのです。
怒鳴りながら、涙を流すお姉ちゃんを見たとたん、見送られていたお姉ちゃん
の目からも涙がポロポロ零れてきました。
『どっちも我慢してたんだなぁ…』
お姉ちゃんたちの涙を見て、ちびちゃんの目からも、周りのみんなの目からも
涙がポロポロ零れてきました。
『淋しい時や悲しい時は、みんな同じなんだなぁ…』
ちびちゃんは、涙でゆがんで映っているお姉ちゃんたちを見ながら思いました。
『でも、やっぱり、お姉ちゃんたちかっこいい…!』
-おわり-
PR