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ちびちゃんストーリー45よなかのろくおん

(これは物語です)

『よなかのろくおん』

ちびちゃんは、家族と離れて、ちびちゃんと同じように立って歩くことが
できなかったりするお友達と学校の寄宿舎で暮らしていました。
ちびちゃんより大きなお兄ちゃんやお姉ちゃんもたくさん暮らしていました。

「ちびちゃん、昨日、夜中に寝言言ってたで」
「うそ…?」
「ほんま、“せいやくーん”て」
「えー、うそー」
「ほんまやて、せいやくんのこと好きなんやろー」
『寝てる間にそんなこと言ってたなんて、私も解らない間に…?』
ちびちゃんはビックリしました。

せいやくんは、いつもちびちゃんに優しくしてくれる高校生のお兄ちゃんです。
寝言を聞いたお姉ちゃんの言う通り、ちびちゃんはせいやくんのことが
大好きでした。
『恥ずかしいなぁ…、ほんまにそんなこと言ってたんかなぁ…?』

ちびちゃんは、夜中の自分の寝言をカセットテープに録音してみようと
思いました。
その日の泊まりの先生に、見回りの時にカセットテープをひっくり返して
くれるようにお願いして、ラジカセを枕元に置いて、録音のスイッチを
入れてお布団に入りました。
『何がとれるかなぁ…!』
ちびちゃんは、何だかワクワクしながら眠りました。

次の日の朝、起きるとラジカセの録音のスイッチは切れていました。
「ちびちゃん、早く着替えんと、朝ごはん遅れるよ」
先生に言われて、ちびちゃんは着がえをしました。
朝ごはんを食べて、学校に行って勉強して訓練して、寄宿舎に帰って来て、
お部屋に行って、やっと昨日のカセットテープを巻き戻して、ラジカセの
再生のスイッチを入れました。
ずーっと何の音も聞こえなくて、少し“カサカサ”とか寝息のようなもの
が聞こえて…、ずいぶんして部屋に入って来た先生の足音とカセットテープ
をひっくり返すみたいな音が聞こえました。
そのあとは、カセットテープをA面からB面にしても寝息と“カサカサ”
と何か解らない音しか聞こえませんでした。
『な~んだ何もとれてないな…』
ちびちゃんは何だかガッカリしてしまいました。

「どう…、寝言とれた…?」
ちびちゃんの寝言を聞いたお姉ちゃんが聞いてくれました。
「ううん、何もとれなかった…」
ちびちゃんは、ガッカリで応えました。
「そうやろ~そんな大事な心の声はな、簡単に録音したりできひんもん
やねん!」
「大事な心の声…?」
「そうや、大事にしいや」
お姉ちゃんは、ニコニコ笑ってちびちゃんにそう言いました。
ちびちゃんは、何だかくすぐったいような、嬉しいような気持ちになりました。


-おわり-









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