(これは物語です)
『お揃いのパジャマ』
ちびちゃんと、同じ歳の妹は、いつもお揃いのパジャマを着て寝て
いました。
おやすみの時間、赤とピンクの生地に茶色いスヌーピーの絵が描いた
いつものパジャマに着替えながら、妹がちびちゃんに言いました。
「これ、全く同じパジャマだから、どっちがどっちのパジャマか
わからないよね」
「そうだね、いつも適当に着たりしてるけど」
ちびちゃんは、パジャマに首を通してから応えました。
「ちゃんと自分のがわかった方がいいと思わない…?」
「うん、思う」
「だから、どっちかのパジャマにしるし付けようよ」
「しるしってどんな…?」
「私、りんごのアップリケ持ってるから、それ、付けようよ」
「付けられるの…?」
「うん、アイロンで付けられるやつだから、私、付けれるから」
「うん、わかった!」
「そしたら、アップリケが付いてる方と付いてない方で解るでしょ」
次の日、二人は、自分たちの部屋でパジャマにりんごのアップリケを
付けました。
アイロンをお母さんに内緒で部屋に持ってきて、ちびちゃんも妹の横
に座って、二人でワクワクしながら付けました。
「ほら、かわいいじゃん!」
「ほんと、かわいいじゃん!」
妹が広げたパジャマの胸の所にりんごのアップリケはチョコンとかわ
いく付いていました。
『いいなぁ…』
ちびちゃんは、ちょっと思ってしまいました。
だって、妹の手でアップリケの付けられたパジャマは、間違いなく
妹が着るんだから…、です。
『まあ、どっちがどっちのパジャマか解るようになってよかった!』
-おわり-
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