(これは物語です)
『たまごやき』
小学生のちびちゃんと、同じ歳の妹は、今日も二人でお留守をしています。
「たまごやき作ろうか!」
お昼になって、妹がそう言って台所に行きました。
ちびちゃんもよつばいで台所に行って、流しの所に捕まって、膝立ちをして、
妹とお話をしながら、フライパンの上で出来ていくたまごやきを見ていました。
「ソーセージ入れてみようか!」
妹が黄色く焼けてきているたまごの上にピンク色のソーセージを包丁で
小さく切って、ポン、ポン、ポン、ポンと乗せました。
黄色の上にピンクが散りばめられて、可愛くてきれいに見えました。
「見て、何かきれ~い」
「ほんとだね!」
「もうちょっと、ここにソーセージ乗せたらきれいじゃない…?」
「どこ…?、ここ…?」
「うん、そこ!」
妹がまたソーセージを切って、ポン、ポンとたまごに乗せました。
「ここももうちょっと…!」
「ここ…?」
「うん!」
妹がまたソーセージを切って、ポンとたまごに乗せました。
「きれいだね!」
「何か食べるのもったいないね!」
「そうだね」
そんなことを言いながら、二人はフライパンの上で焼けている黄色と
ピンクのたまごやきを眺めていました。
「何か焦げ臭くない…?」
妹が気づいてたまごやきの裏を見みました。
「あ~あ、真っ黒…」
「裏見るの忘れてたね」
妹が笑いながら、きれいな方を上にしてたまごやきをお皿に乗せました。
「おいしいよね!」
「うん、おいしいよね」
二人は、焦げた所をよけながら、黄色とピンクのたまごやきをおかずに
お昼ごはんを食べました。
-おわり-
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