(これは物語です)
『どっちがいい…?』
ちびちゃんと同じ歳の妹は、よくお家でおるすばんしていました。
妹がお母さんにもらったお小遣いを持って、近くの駄菓子屋さんでお菓子
やおもちゃを車椅子のちびちゃんの分も一緒に買ってきてくれました。
糸の付いたいちごのあめ、きなこがまぶしてある玉、赤くて甘いふ菓子、
食べられる紙、ミルクおせんべい、チューブに入ったチョコ、指に付けて
こすると指から煙が出るおもちゃ、ストローの先に付けてプーっとふくら
ますと風船みたいにふくらむおもちゃ、スーパーボール…。
二人は向かい合って座って、買ってきたお菓子やおもちゃの中から妹が
二つずつ選んで二人の前に並べます。
「どっちがいい?」
「私、こっち」
「私は、こっち」
「じゃあ、決まり!」
「次は、これと、これ、どっちがいい…?」
「私、こっち」
「あっ、私も、こっち」
「じゃあ、ジャンケンしよ」
「ジャンケンポイ」
「私の勝ち、私こっちで、ちびちゃんはこっちね!」
「うん!」
「じゃあ、次は…」
二人が別々のものを選んだら、そのまま決まり…。
二人が同じものを選んだら、ジャンケン…。
お菓子やおもちゃを全部選ぶまで繰り返す楽しい時間です。
選び終わったら、二人でお菓子を食べたり、おもちゃで遊んだり、
また楽しい時間です。
「私、これから食べよう!」
「私はこれから」
「ちょっとちょうだい」
「うん、いいよ!」
「ほら、ふくらんだよ!」
「あっ、ほんとだ!」
「煙り、出た!」
「すごいね、魔法みたい!」
妹といると、おるすばんの時間もちびちゃんには楽しい時間です。
-おわり‐
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