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ちびちゃんストーリー18いねむり

(これは物語です)


『いねむり』

ちびちゃんは、家族と離れて、ちびちゃんと同じように立って歩くことが
できなかったりするお友達と学校の寄宿舎で暮らしていました。

ちびちゃんは、優しくてかっこいいせいやくんが大好きでした。
せいやくんは、片方の足を少しひきずっていましたが、走る姿もとてもとても
かっこよくて、優しい笑顔のお兄ちゃんでした。
せいやくんは高校生でした。

『せいやくんのお嫁さんになれたらいいなぁ…』
小学生のちびちゃんは、密かに思っていました。

土曜日の午後、ボーっとしていたちびちゃんにせいやくんが聞いてくれました。
「みんなで買い物に行くけど、一緒に行く…?」

「“はるちゃん”と“よっぺ”と“えみっぺ”と“せいやくん”と…?」
「うん、そうや!」
「私も行く!」

寄宿舎では、外出する時、社務室にある外出簿に外出する人の名前などを書いて、
5時の夕ご飯の時間までには帰ってこなくてはなりませんでした。
「時間ギリギリまで書いておいたから」
せいやくんは、そう言って社務室から出て来ました。

みんなでおしゃべりをしながら寄宿舎を出て、スロープ登って学校の長い廊下を
歩いて行きました。
学校が終わって、みんなが帰った後の廊下はとても静かで、ちびちゃんたちが
おしゃべりしている声が響く感じがします。
ちびちゃんは、何だか特別な時間の中にいるような感じがして大好きでした。

お店に着くと、せいやくんがちびちゃんに聞きました。
「今日はちびちゃん何買うん…?、何か食べるんか…?」
「うん、アイスクリーム食べて、ノート買う」
「そうか」
「お金も残してあってん!」
「えらいなぁ、ほんなら、アイスクリーム食べに行こか!」
それかは思い思いに買い物をして、ちびちゃんのノートも一緒に選んでくれました。

「ちびちゃん、決まった…?」
「うん、これにする!」
「かわいいやん、じゃあ、それ買ったら帰ろか」

みんなは、寄宿舎に向かって歩き出しました。
『つまんないなあ…』
ちびちゃんは、みんなとの楽しい時間が終わってしまうことが淋しかったのです。
ちびちゃんの車いすを押してくれていたせいやくんが、元気のないちびちゃん
に気づいて言いました。
「ちびちゃん、おんぶしてあげよか」
お姉ちゃんがちびちゃんをせいやくんの背中に乗せてくれました。
「大丈夫か…?」
お姉ちゃんたちは、カラの車いすを押しながら、心配してせいやくんに聞きました。
「軽いし大丈夫や!、なあ、ちびちゃん」
ちびちゃんはせいやくんの背中でとても幸せでした。
そのうち、みんなの声が遠くなって、ちびちゃんはフワフワ眠ってしまいました。
せいやくんは、とてもゆっくり歩いてくれました。

「着いたよ」
校門の所に着いて、みんながちびちゃんを起こしてくれて車いすに乗せて
くれました。
「ちょっと遅れたなぁ…、怒られるかなぁ」 
心配そうなお姉ちゃんたちにせいやくんが言いました。
「僕、怒られて来るし、先、食堂行っとき」
せいやくんは、みんなよりも先に廊下を走って行きました。
ちびちゃんは、車いすの上で、まだ、寝ぼけまなこでした。


-おわり-







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