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ちびちゃんストーリー12おじいちゃーん

(これは物語です)

ちびちゃんストーリー12


『おじいちゃーん』

夏休み、ちびちゃんは、家族みんなでおじいちゃんとおばあちゃんのお家
に遊びに行きました。

その日ちびちゃんたち家族は、おじいちゃんの車で、おじいちゃんとおばあちゃん
と一緒にお寺にお参りに行きました。
コーラやお弁当を持って、何だか遠足みたいでちびちゃんはずっとワクワクした
気持ちでした。

幾つかお寺をお参りして、最後のお寺でちびちゃんたち家族は、車の中で待って
いることにしました。
運転手のおじいちゃんと、おばあちゃんが車を降りて、ちびちゃんとお父さん、
お母さんが後ろの席に、同じ歳の妹が助手席に、そして、まだ赤ちゃんの妹が
お母さんにだっこされてスースーと眠っていました。
みんなで、おじいちゃんとおばあちゃんのお参りが終るのを待っていました。

「暑いやろ、あおいだらましやけ」
ちびちゃんは、そう言っておばあちゃんが渡してくれたお扇子をパタパタしていました。

「よっちゃんは…?」
自分が座っている所から同じ歳の妹の姿が見えなくて気になってしまった
ちびちゃんがお母さんに聞きました。
「なに~?」
それを聞いた助手席の妹が後ろを向いてちびちゃん言いました。
その時、ちびちゃんたちの乗っている車がゆっくりバックし始めたのです。
妹が後ろを向く時に足がクラッチに当たってしまい、ギアが外れて、後ろが
ゆるやかな坂道になっている所に止まっていた車は、バックしてしまったのです。
「おじいちゃーん」
何が起こったのか解らないまま、ちびちゃんたちは車の窓から見えたお参りして
いるおじいちゃんに助けを求めてみんなで叫びました。
おじいちゃんは、みんなが自分に手を降ってくれていると思い、ニコニコ笑っていました。
『もう駄目だ…』
みんなは思いました。
「後ろ、滝やで!」
お母さんが叫びました。
滝の流れる音が聞こえ、ゆっくりバックしている車の中でお母さんは赤ちゃんの
妹をだっこし、赤ちゃんの妹はスースー眠り、ちびちゃんはおばあちゃんにもらった
お扇子を握り、自分がはいているお気に入りのショートパンツをじっと見ていました。
車はゆっくりバックし続け、車の中では、本当よりもゆっくり時間が流れていました。

お父さんが妹の名前を叫んで車を降りて行きました。
ちびちゃんもお母さんも赤ちゃんの妹も気づかなかったけど、妹は、車から外に
投げ出されて、バックして来た車の下敷きになってしまっていたのです。
お父さんは、妹が車の中にいないことに気づき、動いている車の外に飛び出して
行きました。 

いつの間にか、車は、止まっていました。
妹のことに気づいたお母さんが赤ちゃんの妹をだっこしたまま車の外に出て行きました。
凄く不安な気持ちでいるちびちゃんの体を知らない人が車から出してくれました。
おじいちゃんがあの時、すぐに自分の車が動いているのに気づき、助けを呼んで
くれていました。
ちびちゃんに怪我はありませんでした。
車の外に投げ出された妹の体は、落ちた座布団と一緒にタイヤとタイヤの間に
はまり込んでいて奇跡的にかすり傷だけですみました。
車は、滝の手前で止まっていましたが、トランクの中の荷物やコーラは、みんな滝に
流れてしまっていました。

みんな無事でおじいちゃんとおばあちゃんのお家に帰って、みんなでおばあちゃん
が作ってくれた冷たいカルピスを飲みました。
「みんな、無事でよかったかなぁ…」
おばあちゃんが言いました。

「よっちゃんが助かったのは、今日もらったお札のお陰やけね、よっちゃんが
カバンに入れてずっと持ってたからやけね、車の下でも持っていたんじゃろ…?、
神様が守ってくれたんやけ、不思議やね」
おばあちゃんがカルピスを飲みながら、みんなに言いました。


-おわり-










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