(これは物語です)
『小さな羽根』
Ⅱ 天使の願い2
「君が一緒なら大丈夫だよ…!」
「えっ…?」
「もう、決めたんだ!」
「そうなの…」
「ミーメ、一緒に行ってほしいんだ…!」
ミーメは、その時、彼の瞳がとても輝いていることに気づきました。
彼のその瞳には、力強い光が宿っていました。
彼のその笑顔は、ミーメがとても好きな笑顔でした。
「ええ、一緒に神様にお願いに行きましょう…!」
「ありがとう…!」
ミーメは、ジュナのこの笑顔をいつまでも見ていたいと思いました。
『彼の心が少しでも楽になりますように…、彼の悲しみが少しでも癒やされますように…』
ミーメの心は、いつのまにか、不安よりも願いでいっぱいになっていました。
「きっと大丈夫よね…!」
「ああ…、僕たちが天使に生まれることも神様がお決めになったのだから…!」
「そうよね…!」
ジュナとミーメは、子供の頃のように金色の光の中、手を繋いで神様のところに向かいました。
ジュナには、“エデン”の向こうまで飛び続けるのは困難なことでしたが、
ミーメと手を繋いでゆっくりと飛ぶことで、遠く遠く“エデン”の向こうまで
飛んで行くことができると信じていたのです。
ミーメとジュナは、希望と願いを抱いてゆっくりと飛んで行きました。
-“Ⅱ天使の願い3”へ続く-
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