『小さな羽根』
Ⅱ 天使の願い4
「もう少し歩いて頂きますけど、私の後をついてきて下さいね」
「はい…、ありがとうございます…」
「ええ…、ゆっくりで構いませんからね…」
「はい…」
ジュナとミーメは、天使の“エリア”に案内されて大きな扉の中へ入りました。
中には長い廊下が続いていて、その廊下の両側に少し小さな扉が幾つも並んでいました。しばらく歩くと、一つの扉の前で“エリア”が足を止めました。
“エリア”は、扉を小さくノックしました。
扉の中からは何も聞こえてはきませんでしたが、“エリア”は扉を開き、今度は自分は入らずにジュナとミーナに部屋の中に入るようにと促しました。
ジュナとミーメは、促されるままに部屋の中へと入りました。
“エリア”は、廊下側の扉の前に立ったまま、ジュナとミーメに部屋の奥に進むようにと伝え、小さく微笑んで会釈をし、〝バタン〟と扉を閉めました。
部屋の中に残されたジュナとミーメは“エリア”に言われた通り、ゆっくり部屋の奥へと進みました。
飾りけのない部屋の奥には、白い雲の椅子がありました。フワフワした雲の椅子には、〝フワリ〟と神様が座っていました。
「会って頂き、ありがとうございます」
ジュナは神様が座っている椅子の前で跪き、挨拶をしました。
ー“Ⅱ天使の願い5”へ続くー
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