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小説 ほな、また7.ギターとみかん1

(これは小説です)

朝、アイツのオセロの対戦を見守り、一緒に登校し、教科ごとに一緒に
教室を移動して、給食の時間に笑かされ、放課後は訓練室に送ってくれて、
訓練が終わる時間に迎えに来てくれて、一緒に寄宿舎に帰って…、
夕食後のそれぞれのグループ活動の後、一緒に“いつもの時間”を過ごして、
就寝時間になったら“おやすみ”を言ってそれぞれの部屋に戻って行くと
いう当たり前なった日常を過ごしているアイツと私に、“高等部卒業”が
近づいてきた。
小学部、中学部の卒業までは、学部は変わるけど、卒業後もそれまでと
同じように寄宿舎で過ごすことが出来た。
だけど…、高等部を卒業するということは、“この学校を巣立つことに
なるため、私達は、寄宿舎からも巣立つことになる。
小学部、中学部の思い出…、そして、アイツと出会ってからの3年間…、
高等部での思い出を持って、この学校を寄宿舎を離れるその日がもうすぐ
やって来る。
淋しくて…、“ちょっと待ってよ…!”とジタバタしても思っても、
その日に向かって進んでいる“時”は止まらない…。
“約束されている”その日は、確実に、もう、やって来る。

卒業後は、障害のある成人が介助をうけながら生活出来る“寮護施設”に
入所することが決まっている私は、今の日々と離れること、新しい
日々に入ることに不安を感じていた。
もちろん、アイツと離れることに一番の淋しさを感じていた。

-“ギターとみかん”2へ続く-














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小説 ほな、また6.ラブレターと新しい友達5

(これは小説です)


6.ラブレターと新しい友達5

『あ~あ…!、何で、あんな手紙書いたんやろう…?』
私はため息混じりに思った。
『もう3日やなぁ…』アイツと話さない時間が流れて…、
それは永遠に続くように思えた。
アイツとすれ違う度に、ドキッとして声が出なくなってしまう。

数学の授業が始まる前、授業で使う道具を机の上に出して
もらった私は、ちょっと筆箱を動かした。
その時、机の上にあったファイルも動いてしまい、床に落ちてた。
『あ~あ…』ウンザリした気分で床に視線を落とすと、
歩ける友達のスニーカーが何足か見えた。
私は、床を見たまま、スニーカーの主に声をかけた。
「なぁ、ごめん、ファイル拾て…!」
「えっ…?、これ…?」
その声にドキッとして顔を上げると、アイツがそこにいた。
「うん、それ、ありがとう!」
私は、ドキドキしながら応えた。
「何やってんの、どんくさいなぁ…!」
「もう、うるさいなぁ…、だって…!」
その瞬間をきっかけに、私にいつもの時間が戻ってきた。

『やっぱり、一緒に居られるのがいいよな…、“新しい友達”か~、
まあ、どっちでもいいかっ…!』

-“ラブレターと新しい友達”終わり-











小説 ほな、また6.ラブレターと新しい友達4

(これは小説です)

6.ラブレターと新しい友達4

アイツの手紙を読んでから、私は、何となくアイツと喋れなく
なった。
アイツも私の雰囲気から気持ちを察したのか、その日の“いつも
の時間”は2人で過ごさなかった。

次の日の朝食後のオセロを見守ることも、一緒に登校することも、
給食の時の笑かしも、訓練室に迎えに来てくれることもなかった。
友達が1人でいる私を見て、教科書の準備や教室の移動を手伝って
くれた。
「なぁ、アイツとけんかでもしたん…?」
教室の移動を手伝ってくれた友達が聞いてきた。
「別に…、してへんよ…」
私は、素っ気なく応えてしまった。
「ふ~ん、でも、いつも一緒にいたやん!」
「そうかなぁ…」
「早よ、仲直りしぃや!」
友達は、笑顔で言ってくれた。

『けんかした訳じゃないしなぁ…、仲直りってどうしたら…』私は、
放課後の訓練を終えて、訓練室から車椅子をゆっくりこいで寄宿舎
に向かっていた。
『間に合うかなぁ…?』不安に思いながら、寄宿舎の夕食を目指して
車椅子をこいでいた。

その日も“2人のいつもの時間”を過ごすことはなかった。
アイツと話さなくなって、私の生活の彩りは、ドンヨリに変わった。

-“ラブレターと新しい友達”5へ続く-










小説 ほな、また6.ラブレターと新しい友達3

(これは小説です)

6.ラブレターと新しい友達3

アイツに手紙をもらった次の日も私は、アイツと一緒に登校して、
一緒に勉強して、放課後にアイツが訓練室に迎えに来てくれて、
一緒に寄宿舎に帰って来た。

その後、私は、アイツと別れて部屋に戻った。
そして、車椅子から部屋に上がって、自分のスペースまで移動
して、机の前に座り…、大切にしまってあった“アイツからの手紙”
を手に取った。
それから…、ハサミで丁寧に封を開けて、中の便せんを出した。
そして…、丁寧に折り畳まれてある便せんをゆっくりと開いた。

便せんには、アイツの文字が並んでいた。
便せんは、2枚あった。
私は、深呼吸をしてドキドキをごまかしてから、1枚目の便せん
の文字を目で追い始めた。

“手紙ありがとう。
好きになってくれてありがとう。
でも僕は、あなたと付き合うとかは考えられません。
あなたとは、仲のいい友達でいたいです。
だから、僕の事を新しい友達だと思って、仲良くして下さい。
これからもよろしくお願いします。”

1枚目の便せんには、こう書かれてあった。
そして、2枚目の便せんには、上の線に“これにあなたの詩を書いて
下さい”と書いてあって、その下には、何も書いていなかった。

『私…、ふられたってことやんな…、新しい友達か~』心で呟いた。

-“ラブレターと新しい友達”4へ続く-












小説 ほな、また6.ラブレターと新しい友達2

(これは小説です)

6.ラブレターと新しい友達2

アイツと私は、朝、一緒に登校して、一緒に勉強して、放課後アイツ
が私を訓練室に迎えに来てくれて、2人で寄宿舎に帰って…、グループ
活動の後、“2人の時間”を過ごして…。
アイツも私も、手紙のことは口に出さなかった。

アイツからの返事を待っていた私は、毎日、ドキドキしていたが、
それをアイツには気づかれないように、普通に振る舞っていた。
アイツには、“私が毎日、ドキドキしながら、返事を待ってること”に
気づかれたくないと思いながら、心のどこかでは、気づいてほしいと
いう気持ちもあったのかもしれない…。

そんなある日の“2人の時間”、アイツが封筒を出した。
「はい…、これ」
アイツは…、優しく…、柔らかく…、私の手に渡してくれた。
「えっ…、ああ…、ありがとう…」
私は、私が手紙を渡した時のアイツと同じように戸惑った。
私には、唐突な出来事ではなく、こんな場面を何日も待っていた
はずなのに…。
『もっと嬉しいと思ってたのに…、変なの…!』私は、自分から
生まれた感情にもかなり戸惑った。
「どうしたん…?」
ぎこちない私の雰囲気にアイツが聞いた。
「何でもない」
「そう…」
「うん」

私達は、“おやすみ”を言って、それぞれの部屋に戻った。

-“ラブレターと新しい友達”3へ続く-















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