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小説 ほな、また2.救いと気づき1

(これは小説です)

高等部2年になり、黒い学生服を着ていた人達は、私達と同じように私服で
登校して来るようになっていた。
介助しやすかったり動きやすいようにジャージやトレーナー、Tシャツが
私服の私にとって彼らの私服姿は新鮮だった。
“マッチ棒みたいなアイツ”もスポーツ狩りより長くなった髪をセットし、
ジーンズやシャツなどをスッと着るようになり、“マッチ棒みたい”では
なくなっていた。
『ちょっとかっこいいかも…』

アイツが私の暮らす寄宿舎に入って来た。
勉強グループもクラスも一緒で、同じ寄宿舎暮らしにもなった私達は、
少しずつ話をするようになっていた。

1年後にアイツと同じように入学して来た男子2人も加わり、
4人でよく連むようになった。
私以外の3人は私よりも体の大きな歩ける男子…、それまでにない
ちょっと変わった感じだったが、4人で毎日笑い転げるうち、Bグループが…、
Aグループが…、とこだわって重くなっていた私の心を軽くしてくれていた。
同じAグループの3人の、歩けるから…、車椅子だから…、という壁のない
様子に私は救われた。

-“救いと気づき”2へ続く-












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小説 ほな、また1.出会いと変化5

1. 出会いと変化5

『○○〇〇くんってなあ…』
高等部に上がって数ヶ月経ち、ますますアイツにお熱の彼女…
お祭り騒ぎのテンションで話しかけてくる彼女にウンザリだった。
この“養護学校”には、小学部、中学部、高等部があった。
クラスは1学年に1クラスで、高等部を卒業するまでクラス
メートはずっと同じだった。
彼女は嫌いではなかったが得意ではなかった。
彼女は普通に歩けていた。
『この子障害あるん…?』彼女の最初の印象だった。
“疲れ過ぎたら、体が後ろにそってしまい歩けなくなる”私が
修学旅行や合宿などの時に知った彼女の障害だった。
その症状は、学校にいる時間帯には滅多に出ない。
だからだろうか…?、彼女は、教室の鏡の前で、振り付きで
アイドルの真似をしたり、黒板の高い所に文字を書いたり、
綺麗な文字の並んだ自分のノートを見せびらかしたり…、
“みんなと違うのよ”という空気を振り撒いていた。
だから…、彼女がアイツを気に入ったことにちょっと驚いた。
―“出会いと変化”終わり―











小説 ほな、また1.出会いと変化4

1.出会いと変化4

幾つかの班に分かれてブロックでかまどを造り、予算内で材料の買い物をし、
班のカレーを作り、先生たちが順位をつけ、それぞれのカレーを食べる。
Aグループでは、そんな授業の日もあった。
国語や数学などの“普通教科”の授業は教科書を使わずに、先生がつくった
プリントを使って学習していた。
内容は、私には、訓練の時間が多かった。
もともと時間に“訓練”という時間は組み込まれていた。
中学部では、“普通教科”の間に“訓練”があったが、高等部に上がってから
は、“訓練”の間に“普通教科”がある感じだった。
放課後も夕方まで学校にある訓練室に残って、訓練を受けるという毎日に、
『確かに“普通教科”中心のBグループでは、今の私には合わないかも
しれない…』と思うことも出ていていたが、教科書をほとんど使わず、
学力がついているのか解らない授業の内容にどこか違和感みたいなもの
を感じていた。

ホームルームや給食は、学年で行われていた。
かつて、一緒に勉強していた友達を見ると、『私はこの人とは違うんだ
なぁ…』という気持ちになっていた。
そんな中、小学部から一番仲がよかった友達が、いつも変わらず話しかけて
くれたことは、私の大きな助けになっていた。

―“出会いと変化”5へ続く―










小説 ほな、また1.出会いと変化3

Aグループに入られた私の学校生活は変わった。
教科ごとの教室の移動もその一つ。
Bグループでは、先生が2台一緒に車椅子を押して、それぞれの教室を
何度も往復して移動していたが、Aグループでは、学生服を着た人達が
1台ずつ車椅子を押して移動するようになった。
高等部に上がって、Bグループの教室移動にもそんな光景は見られたが、
どちらかというとAグループに多く見られた。
Bグループの中学部まで一緒に勉強していた友達とすれ違うと、心が
ちょっと痛くなった。

『何で、私だけが…』そんな思いが強くなり、担任の先生にその理由を
聞いてみた。
「あなたは手術を受けたでしょう、だから、今は勉強よりも手術のあと
の訓練の方が必要で…、勉強がゆっくりなAグループに入ってもらったのよ」
先生の応えはこうだった。
確かに私は、足の手術を受けていた。
少しでも歩くことに近づくための手術だった。
だから、‟手術のあとの訓練の方が必要“というのは解る気はしたが、
何だかスッキリとは納得できなかった。
それ以上聞く気もなかったので納得しておくことにしたが、気持ちの痛さ
は消えなかった。

―‟出会いと変化“4へ続く―












小説 ほな、また1.出会いと変化2

『ほな、また』


1.出会いと変化2

「なぁ、新しく来た人の中で誰がいい…?」
「えっ…?、わからん」
私は、どうでもいい気持ちで応えた。
「私、○○○○くんがいいねん!、かっこいいやろう!、一緒の勉強グループ
やろ、ええなぁ」

当時その“養護学校”では、授業は学年ごとではなく、グループに分かれて
行っていた。
Aグループ“学力よりもコミュニケーション力など、それぞれに必要な力を
身につけ、学力はその子に合わせてゆっくりつける”
Bグループ“普通高校と同じ学習内容で学力をつける”
Cグループ“学力をつけることは難しいため、それ以外のことを出来るよう
に力をつける”
中学部までは Bグループで勉強していた私が、高等部になってAグループ
に入れられた。
“○○○○くんがいいねん”と言ってきた彼女は、Aグループの私と仲良くすれば、
“アイツ”に近づけると思っていたのだろう。

-“出会いと変化”3へ続く-





















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