(これは小説です)
高等部2年になり、黒い学生服を着ていた人達は、私達と同じように私服で
登校して来るようになっていた。
介助しやすかったり動きやすいようにジャージやトレーナー、Tシャツが
私服の私にとって彼らの私服姿は新鮮だった。
“マッチ棒みたいなアイツ”もスポーツ狩りより長くなった髪をセットし、
ジーンズやシャツなどをスッと着るようになり、“マッチ棒みたい”では
なくなっていた。
『ちょっとかっこいいかも…』
アイツが私の暮らす寄宿舎に入って来た。
勉強グループもクラスも一緒で、同じ寄宿舎暮らしにもなった私達は、
少しずつ話をするようになっていた。
1年後にアイツと同じように入学して来た男子2人も加わり、
4人でよく連むようになった。
私以外の3人は私よりも体の大きな歩ける男子…、それまでにない
ちょっと変わった感じだったが、4人で毎日笑い転げるうち、Bグループが…、
Aグループが…、とこだわって重くなっていた私の心を軽くしてくれていた。
同じAグループの3人の、歩けるから…、車椅子だから…、という壁のない
様子に私は救われた。
-“救いと気づき”2へ続く-
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