(これは小説です)
『ほな、また』
1.出会いと変化1
最近、アイツの夢をよく見る『何であんなことしたんやろう…?』
まだ後悔が残っていることを思い知らされる。
アイツに最初に出会ったのは、高等部に上がってすぐだった。
生まれた時から体に障害がある私は、車椅子で“養護学校”今で言う
“特別支援学校”に通っていた。
その頃の私は、学校に隣接する寄宿舎で暮らしていた。
「○○○○です、よろしくお願いします」
アイツの自己紹介を今でも鮮明に思い出せる。
『ふ~ん、マッチ棒みたい…』それがアイツの最初の印象だった。
短いスポーツ狩りに黒い学生服のアイツは、体に障害はないが、
人とのコミュニケーションが苦手で、学習するのが苦手だった。
その年から“養護学校”がそういう生きづらさを持った人達も受け入れる
ようになったらしい。
“そんな人達”が入学して来るということは聞いていたが、私には、
“そんな人達”への知識は全くなく、ただ、車椅子だらけの教室に
黒い学生服を着た普通に歩ける人達がワサワサいることに戸惑っていた。
男子が多いことにもちょっと戸惑っていた。
-“出会いと変化”2へ続く-
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