(これは物語です)
『手のひら』6
アンドロイドヘルパーのミュウさんとの生活が始まりました。
ミュウさんは、登録された時間以外は充電部屋です。
「あなたの時間のお邪魔にならないよう、こちらで待機させて
頂きます、外出や緊急の支援が必要な時はお呼び下さい、
登録をさせて頂く必要のない支援の時は、名前を呼ばすに
“お願いします”と声をかけて下さい」
ミュウさんは部屋に戻りました。
ミュウさんが私のいるリビングに現れました。
「支援のお時間になりました、何をさせて頂きましょうか…?」
「夕食を作って食べさせて下さい」
「登録されているメニューから、冷蔵庫にあるものでお作り
しましょうか…?、予定しているメニューがありますか…?」
「ラーメンが食べたいです、私が作り方を言います」
「登録の必要はありますか…?」
「はい」
「1度名前を呼んで、作り方を伝えて下さい」
「ミュウさん、…」
私は、作り方を伝えました。
ラーメンは、思ってた以上に美味しくできていました。
食べさせ方も完璧にミュウさんに登録されていました。
「支援開始の時は、あなたのタイミングで声をかけて下さい、
予定時間から30分過ぎてもお声がかからない時は、
こちらから伺います、今日はそのことを聞いておられなかった
ので、開始予定時間に伺いました」
支援の終わりにミュウさんが言いました。
1日の最後の支援、就寝の時間になりました。
私は、ほぼ予定時間にミュウさんに声をかけました。
ミュウさんが、すぐに私のいるリビングに現れました。
「就寝の支援をお願いします」
「はい、解りました」
ミュウさんは、手際よく支援を進めました。
『やっぱり完璧に登録されてる』
車椅子からベットへの移動もふわりと完璧でした。
「今日1日ありがとうございました、おやすみなさい」
最後にミュウさんさんの手がポンっと私の頭に置かれました。
『あ…、これが、“頭ポン”…?、何かあったかいなぁ…』
ー“手のひら7”へ続くー
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