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物語 手のひら9

(これは物語です)

『手のひら』9

「アンドロイドヘルパーのご利用ありがとうございます」
夕方の支援が終了した頃、玄関の扉がノックされました。
『あっ、きた…』

「お願いします、玄関を開けて下さい」
私は、支援が終わったばかりで、まだ私のそばにいたミュウさんに
声をかけました。

○○○の社員の女性がリビングに入ってきました。
女性はおじぎと相変わらずの笑顔の後に、言葉を続けました。
「契約が終了致しましたので、アンドロイドヘルパーを引き取り
にまいりました」

私は、部屋に戻っていたミュウさんに声をかけました。
「お願いします、ミュウさんの部屋を片づけて下さい」
「はい、解りました。」

「いかがでしたでしょうか…?、1週間」
「はい、とても心が休まりました」
「そうですか、それはよかったです」
「アンドロイドヘルパーは、本格的にレンタルしたり、
購入したりはできないんてすか…?」
「ええ、今はまだ試作品の状態で…、それに今は、
飛びっきりのお金持ちにしかできません」
「そうなんですか…」
「いつか、世の中に受け入れられる日がくるように頑張ります」
「ぜひ、頑張って下さい」
「福祉用具として補助金も出るようになればと考えています」
「その日を楽しみにしています」

「ミュウさん、契約は終了です」
女性がミュウさんに声をかけました。
「解りました」
ミュウさんは、女性に促され私の隣にきて、あの笑顔で言いました。
「1週間ありがとうございました」
ミュウさんはいつものように私の頭に“ポン”っと手を置きました。
「ありがとうございました」
私も笑顔で言いました。

「ミュウさんの中のあなたのデータは開発に生かさせて頂きます、
ご利用ありがとうございました」
女性は、おじぎをすると、ミュウさんと一緒に玄関を出て行きました。
私はいつものようにリビングに1人残りました。

「こんばんは」
就寝の時間になって、いつものヘルパーさんが入ってきました。
そして、いつもの支援に戻りました。

私の頭には、ふわっとした手のひらの感触が残っています。

ー“手のひら”終ー










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