(これは物語です)
『お家に帰ろう』
『お家に帰ろう』
そう思うと彼女はいつも、暖かくて優しい気持ちになります。
彼はいつも彼女のことを“ギュッ”と抱きしめてくれます。
「今日はどうだった…?」
「今日は何があった…?」
彼は彼女に聞いてくれます。
「今日はね、こんなことがあったよ」
「楽しかったよ」
彼女は彼にお話します。
「そうか~、よかったな!」
「うん」
彼女と彼は寄り添いながらお話します。
幸せな彼女は、時々心の奥にある悲しみに支配されてしまいます。
『いつか、この日々が終わりを迎えることは約束されている…』
『どれだけ彼を愛していても今以上は彼の中に入っていけない…』
そんな時、彼女は心で呟きます。
『お家に帰ろう…』
すると、彼の優しさや彼への愛しさがその心に溢れだします。
彼女の心は、また、優しくて幸せなお家に帰っていけるのです。
ケンカをしても迷っても、幸せの記憶を覚えていれば、いつでも幸せな
お家に帰れるのです。
彼女は、笑顔で呟きます。
『お家に帰ろう』
-おわり-
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