(これは物語です)
『…を守れるために』
大きな地震がおこりました。
「国民の命を守れるのために原発の廃止を!」
毎日毎日テレビからそんなニュースがながれてきました。
「そうよね、またあんな地震がおこったら怖いものね」
ママはニュースを見ながらポツリと言いました。
「えっ、なあに…?、ママ、げんぱつってなあに…?」
そらくんはママに聞きました。
「電気を作るためのところよ」
「こわいの…?」
「あのね、この前の大きな地震のときにね、見えないエネルギーがたくさん
外にもれちゃったの…、人間の体を病気にしちゃうかもしれないのよ」
「ぼく、病気になりたくないよ」
「だからね、なくした方がいいのよ」「ふ~ん、そうなんだ」
そらくんは言いました。
時が過ぎてました。
「国民の生活を守れるために、原発の再稼動を!」
テレビからはこんなニュースがながれてくるようになりました。
「そうよね、原発が止まったら、やっぱり困るものね」
ママはニュースを見ながらまた“ポツリ”と言いました。
「えっ、ママ、げんぱつってこわいんでしょ…?」
そらくんはまたママに聞きました。
「でもね、止まちゃったらちょっと困るのよ」
「どうして…?」
「電気がたくさん作れなくなって、電気のお金が高くなっちゃうの」
「でも、ぼく、病気になりたくないよ」
「ここは大丈夫よ、なくさない方がいいのよ、生活を守れるために」
「ふ~ん、そうなんだ」
そらくんは言いました。
人は、何を守りたいのでしょう…?
人は、何を守れるべきなんでしょう…?
-おわり-
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