彼女のストーリー番外編2
『彼女の好きなもの9』
彼女には、好きなものがたくさんあります。
彼女は、いつも色んな時間を楽しんでいます。
ストーリーを演じること
彼女は、中学生の時の文化祭で“シンデレラ”を演じました。
彼女一人で歌ったり、ピンスポットを浴びたり、引っ込み思案で人見知りの彼女
には考えられないことでした。
クラスの友達が彼女を主役“シンデレラ”に推薦した時、彼は、“いじめだ!”と
思いました。
練習が始まった時“歌えもしないのに、ピンマイクまで付けられて…”と何処かへ
逃げ出したい気持ちでした。
ところが、練習が進み、本番を迎える頃には、彼女は、みんなの前で演じること
が楽しくなっていました。
本番では、寄宿舎の先生に作ってもらった可愛い衣装を着て、舞台で一人、
スポットライトを浴びて、拍手をもらって、それまで感じたことのない幸せな
感覚が彼女を包みました。
生徒会の議長を努めたり、弁論大会に出たり…、その後の彼女は、人前で話す
ことに積極的になりました。
大人になった彼女が、自作の詩などを舞台で朗読したりするようになった頃、
“語り”に出逢いました。
民話や童話などを舞台などで語ります。
それぞれの語り部が様々な形でやっていますが、彼女は、自作の物語を語って
います。
朗読とは違い、スポットライトを浴びたりして、物語をマイクに向かって
演じる感じです。
“シンデレラ”の時の感覚が彼女に戻ってきます。
彼女のストーリー番外編2
〝彼女の好きなもの〟おわり
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