(これは物語です)
『小さな羽根』
Ⅰ 小さな羽根の天使9
「ジュナ…、愛しているわ」
「僕もだよ、ミーメ」
「ずっと一緒にいましょうね」
「ああ、ずっと一緒にいてくれ、ミーメ…」
「ジュナ、私、あなたの小さな羽根、可愛くて好きよ…」
「ありがとう…」
ミーメは、ジュナの小さな羽根も抱きしめてくれる時の優しい手も
とても愛おしく思っていました。
小さな羽根を持って生まれたことで、ジュナの心は傷つきすぎて、
悲しみや苦しみに包まれてしまっていました。
だから、仲間とうまく話せなかったり、自分の気持ちを伝えることを
諦めてしまったり…。
そんなジュナの奥にある繊細で崩れそうな心、誰も傷つけまいとする
優しい気持ちをミーメは知っていました。
その傍らにある一度決めたら、やり切ろうとする強い気持ちもミーメは
知っていました。
ミーメは、ジュナをとても愛していました。
ー“Ⅰ小さな羽根の天使10”へ続くー
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