(これは物語です)
『小さな羽根』
Ⅰ 小さな羽根の天使10
「この羽根では、僕は、仲間と同じように仕事もできない…」
「あなたはいつも一生懸命に仕事をしているわ…!」
「一日一つの小さな魂を“エデン”に連れて行くのがやっとだよ…」
「ええ、一つ一つ大切な魂だもの…!」
「それに…、大人になっても小さいままの僕の羽根を見て、みんな、僕のことウソつきだと思ってるんだ…」
「あなたはウソなんかついていないわ、だって、私の羽根はあなたが子供の頃言ってくれた通り大きくなったもの…、でしょ…?」
「ああ…」
「それに飛ぶのだって…、あなたといつも練習していて、あの頃より速くなったわ…、ねっ!」
「ああ…、ありがとう…、ミーメは僕の側でいつも笑ってくれる…」
「ありがとう…、ジュナ…、嬉しい…!」
「ミーメ、だから、僕は、仲間と同じ姿になって、ちゃんと君を守りたいんだ…、それに…、もう僕は、仲間たちにバカにされることにも影口にも耐えられないんだ…」
「ジュナ…」
「こんな体のままでは、もう…」
ミーメは、傷つき、悲しみに耐えているジュナの心を覗く度に彼を救ってあげたいと心から思うのでした。
『ジュナ…、どうすればあなたを救えるの…?』
ー“Ⅱ天使の願い1”へ続くー
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