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物語 少女の髪2

(これは物語です)

『少女の髪』2

少女だった私は、大人になりました。

20代後半を過ぎ、もう一度、家族と家で暮らすことを選びました。
しばらく練習をして、部屋の中でなら、着替えることも、トイレを
することも、車椅子への移動も、だいたいのことは一人できるように
なりました。
電動の車椅子を運転して、電車に乗って一人でおでかけができるよう
になりました。
髪は…、肩までの長さで、まっすぐにしたり、ウェーブにしたり…。
行きつけの美容室に予約を入れて、一人で出かけて行きました。
お母さんに「うっとうしいから…」と言われないように、自分で
カチューシャをはめたり、自分でムースなどを付けたり、自分で
とかしたりするだけでちゃんとして見えるようにしていました。
少女のころからの憧れの長い髪は、やっぱり、無理でした。

40代を間近にした私の体は、自分にしか解らないくらい少しづつ
動きにくくなっていました。
それでも、美容室には通い続け、カチューシャを付け、ウェーブを
かけたり、まっすぐにしたり…、でも、「長い髪は、また少し遠のい
たかな…」と思っていました。

40代に入ってすぐ、介護ヘルパーさんにきてもらって一人暮らし
を始めました。
ヘルパーさんの必要な時間や介護の内容を自分で考え、福祉の機関
に申請して介護の時間数をもらい、ヘルパー事業所と契約し、依頼
した時間にヘルパーさんがきてくれて、介護を受けて生活するよう
になりました。
それから間もなく、二次障害による頸椎症で、その体は、今までで
一番自分では動かせなくなりました。
何とかできていた髪をとかすことも、カチューシャやムースなどを
付けることも、自分ではできなくなりました。
「使いいたみですね」お医者さんには言われました。
髪は、また、肩よりも少し短くしました。

40代をもう少し過ぎ、二次障害の体で日々を過ごすことに少しづつ
慣れてきたころ、ふと思いました。
「髪の手入れもヘルパーさんにやってもらうなら、長い髪にすること
もできるよね!」短く切っていた髪を伸ばすことにしました。

伸ばし続けた髪は、背中の真ん中辺りまでになりました。
長い髪に憧れていた少女は、50代まで後少し…、ヘルパーさんに
介護してもらいながら、憧れ続けた長い髪で…、笑顔で
過ごしています。

幼い少女は、長い髪に憧れていました。






















-少女の髪終わり-



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