『君がいてくれたから…。』
「もう、お腹、大丈夫…?」
ふいに降ってきた彼の言葉に彼女はフワッとして応えました。
「うん、もう大丈夫!」
彼は安心したように小さく息を吐きました。
「そうか~、よかった…」
「長生きしてくれよ」
彼は後ろを向いてふと言葉をぶつけてきました。
「えっ…?」
トウシンダイすぎるその言葉に彼女は応える言葉が出ません。
「君がいてくれたから、ここまでやってこられたんだからな」
『ただただ君のそばにいたくてここで生きてただけなのに…』
彼女は、心でつぶやきました。
「頼むよ!」
彼のだめ押しみたいな言葉に彼女は涙が出そうになりました。
君がいてくれたから…、彼女も同じように思っていました。
彼女の心は幸せに溶かされました。
-おわり-
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