『彼女のひとり暮らし3』
彼女には生まれた時から体に障害があり、車椅子で生きています。
彼女は、ずっと長い間ひとり暮らしがしたいと思っていました。
23歳
施設の中の彼女は、毎日毎日決まった時間に決められたことをして過ごして
いました。
“ちょっと今から買い物行ってこよう”とか、そんな自由は、全くありません
でした。
外出は、できない訳ではありませんでしたが、一週間前には一緒に行って
くれる人を探して外出届けを提出し、親に許可をとらなければならず、
友達がきてくれてもその日に一緒に外出することはできません。
髪を伸ばしていたり、外出をする時にスカートやジーンズをはかせてもらおう
としても明らかに嫌な顔をされたり注意されたりしました。
「介助してもらうんやから、ジャージはいて行きなさい!」
この言葉は、まだ若い彼女には、ただの暴力でした。
彼女が、一番ダメだったのは、上から目線で話したりする職員さんがいて、
自分がそれにおびえていることでした。
好きな人と外出から帰ってきた彼女に職員さんからかけられた言葉は
「おしっこは…?」でした。
気の合う職員さんや友達と話したりしている時は、楽しいと思っている彼女
ですが、おしゃれができる若いうちにひとり暮らしをして自由に生きたいと
願っていました。
彼女は、ひとり暮らしを諦めてはいませんでした。
『いつかは、きっと…!』
彼女のストーリー番外編1
〝彼女のひとり暮らし4〟へつづく
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