『彼女のひとり暮らし6』
彼女には生まれた時から体に障害があり、車椅子で生きています。彼女は、
ずっと長い間ひとり暮らしがしたいと思っていました。
39歳
彼女は突然体に異変を感じました。
いつものように自分の部屋の窓を片手で手すりを持ち閉めようとした時、
バランスを崩してしまう感覚に恐怖を感じました。
『感覚だから、説明の仕方が解らないし、伝わらないだろうなぁ…』
家族には伝えませんでした。
『気のせいかなぁ…?』その時はそんな感じでしたが、その日を境に彼女は
どんどん体に異変を感じるようになっていきました。
移乗の時に落ちるようになったり、細かいことがやりにくくなったり、
夜中から着替えを始めて、できたのは明け方だったり…。
ポータブルトイレでトイレをしたら、まだ明るい時間から始めて何度も
落ちて、終わった時にはもう真っ暗な時間になっていました。
『もう、私、できひんのやわ…』彼女は、体に異変を感じてから初めて
涙を流しました。
彼女は、家族に今の自分の体の状態を話ました。
「昨日できたことが今日できひんようになるわけないでしょ!」
これが家族の最初の言葉でした。
彼女は、新しく始まったヘルパー制度の利用を考え始めました。
彼女は、ひとり暮らしを諦めてはいませんでした。
『いつかは、きっと…!』
彼女のストーリー番外編1
〝彼女のひとり暮らし7〟へつづく
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