『彼女のひとり暮らし5』
彼女には生まれた時から体に障害があり、車椅子で生きています。
彼女は、ずっと長い間ひとり暮らしがしたいと思っていました。
36歳
彼女は、家で家族と暮らしていました。
それまでは誰かの介助なしには外出したことなかった彼女でしたが、
家で暮らすようになってからしばらくの頃、ひとりで電動車椅子で
出掛けるようになりました。
最初は、家の近所まで買い物に行ったりするくらいでしたが、そのうち、
電車に乗って遠出をするようになりました。
着替えやトイレ、車椅子やベットへの移乗といった動作も始めは家族に
介助してもらっていましたが、家族に協力してもらったり、自分に合った
福祉用具を使ったり、彼女の努力で少しずつ一人でできるようになりました。
彼女は、障害のある人達が通う授産所に通って、パソコンでの仕事をして
工賃をもらい月に3万とボーナスなどをもらって、日常生活の動作を殆ど
自分でこなし、電動車椅子を運転して一人や友達とお出かけていました。
彼女はきっと、これまでで一番自分を生きられていたのではないでしょうか…?
「お母さんらが体あかんようになったら、施設入ってな」
彼女がそんな提案に頷いていたのは『施設に入ったらまた親とも遠くなるし、
そこでひとり暮らしの計画を立てて施設を出よう!』という思いがあったからです。
彼女は、ひとり暮らしを諦めてはいませんでした。
『いつかは、きっと…!』
彼女のストーリー番外編1
〝彼女のひとり暮らし6〟へつづく
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