(これは物語です)
『ゲラゲラ』
お父さんは、幼いちびちゃんたち姉妹とよく遊んでくれました。
ちびちゃんたちは、よく“ゲラゲラ”笑っていました。
お風呂に一緒に入ってくれた時、湯船の中のちびちゃんたちに
「100数えたら、上がってもいいよ」
と言って、100まで数え始めるのです。
そして、90までいくと、ふざけてゆっくり数えたり、
数を戻して数えたりするのです。
中々100までいかないことが、何とも楽しくて、
ちびちゃんは“ゲラゲラ”笑うのです。
お父さんが湯船の中でタオルに空気を入れると、空気が入ったところが
まあるく膨らみます。
そのタオルを湯船に沈めて、まあるく膨らんだところを抑えると
“ブクブクブクブク”と音がして泡が出るのです。
ちびちゃんたちは、また楽しくて“ゲラゲラ”笑います。
お父さんが、あぐらで座り、ちびちゃんたちを順番に乗せて、
お父さんの体を小刻みに動かしてくれるんです。
すると、ちびちゃんたちは、何か遊園地の乗り物に乗っているように思えるのです。
お父さんは、手をグーにして自分の膝の上置いて、本当の乗り物のように
お金を入れるところを作ってくれます。
ちびちゃんたちは、そこに“チャリン”とお金を入れるマネをします。
順番に何度も乗せてもらい、ちびちゃんたちは、お父さんの膝の上で
“ゲラゲラ”笑い転げます。
夜、ちびちゃんたちが寝る時には、お父さんがお話をしてくれます。
そのお話は、いつも、かいじゅうが現れ子供たちが恐れるのです。
もうだめだ~、となったところでウルトラマンがやってきて、
かいじゅうをやつけて、めでたしめでたし…、になります。
ちびちゃんたちは、いつもお話してもらっていて、もう全部覚えていました。
それでも、いつも出てくるフレーズが聞きたくて、お父さんにお願いします。
「お父さん、あのお話して~」
お話が進み、いつものフレーズが近づいてくると、ちびちゃんたちは、
“くるよ、くるよ”とワクワクしてきます。
「その時、ウルトラマンがやってきたのです!」
いつものフレーズが飛び出すと、ちびちゃんたちは、楽しくておかしくて
“コロコロ”と“ゲラゲラゲラゲラ”笑い転げます。
お父さんとのお風呂やお父さんの膝の上、お父さんのお話は、
“ゲラゲラ”ちびちゃんたちの笑いのもとになっていました。
-おわり-
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