(これは物語です)
「1.わんこ」
ー3.きみとぼく1ー
ぼくは、毎日、いつも、きみのところにお話に行った。
「今日ね、ちょちょさんがお鼻にきてね、ムズムズしたから、
《ふんっ》ってしたらね、ちょちょさん、飛んでちゃった!」
きみは、ゆらゆら楽しそうにゆれてくれてた。
「あのね、お魚、あそこのお池にいっぱいいるんだよ」
きみは、《ふーん》っていうみたいにお池の方みて、体を伸ばしてるみたい。
「ねぇ、ねぇ、さっきね、ぼくと同んなじなのに大きな体したわんこが
いつもの野原の端っこでゴロってしてたよ!」
きみは、ちらっとあっちを見てた。
「ぼくね、早くここに来たくて走ってたからけとばしそうになっちゃった!」
きみは、ゆらゆら嬉しそうにゆれてくれた。
きみは、毎日、いつも、ぼくのお話をきいてくれた。
ぼくは、きみとお話してるとき、いつも鼻先が《くすっ》とした。
ー“大好き4”へ続くー
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