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ちびちゃんストーリー7

(これは物語です)

『おるすばん』

その日、お母さんがちびちゃんのちっちゃな妹に言いました。
「今日は、ちびちゃんと一緒におるすばんしてあげてね」
ちっちゃな妹は可愛い笑顔でお母さんに言いました。
「いいよ、ちびちゃんのカップラーメンも作ってあげる!」
「うん、お願いね!」
お母さんは出掛けていきました。

ちびちゃんと妹は、おうちの中で2人になりました。
しばらく2人で、ゲームをしたり、テレビを見たりしていました。

お昼になりました。
「ちびちゃん、お腹すいたね」
「うん!」
「今、ごはん作るね!」
妹はそう言って、棚の中からカップラーメンを取りだしました。
2つのカップのフタを開けて、2つのカップに具とスープの元を入れました。
そして、電気ポットに湧いているお湯を2つのカップに注ぎました。
「もうちょっと待ってね」
妹はちびちゃんにそう言って、2つのカップのフタを閉め、
小さな積み木を1つずつフタの上に載せました。
それから、3分待って、2人でカップラーメンをおいしく食べました。

“ピンポーン“
2人でテレビを見ていると、玄関のチャイムが鳴りました。
妹が玄関の覗き穴を覗きに行きました。
「あ、もっちゃん!」
妹は、玄関を開けて、もっちゃんに言いました。
「今日は、遊べないねん」
「なんで…?」
「何でも、今日はだめ、ごめんね」
妹はそう言って玄関を閉めました。
「いいの…?」
ちびちゃんは部屋に戻ってきた妹に聞きました。
「うん、今日は、おるすばんだから!」

しばらくすると、窓の外からもっちゃんの声が聞こえてきました。
「ねぇ、遊ぼう!」
妹は、口に指をあてて“しーっ”っと言って窓の外を様子を伺いました。
『妹は、歩けない私とおるすばんを頼まれたから、自分がおうちにいて
あげなきゃって思ってるのかなぁ…』
とちびちゃんは思いました。
「ねぇ、遊ぼうよ!」
また、もっちゃんの声が聞こえてきました。
妹は、また、外の様子を伺いながら、今度は窓のカーテンを閉めてしまいました。
その様子を見てちびちゃんは、妹に言いました。
「遊びに言ってもいいよ」
「もう、今日はだめって言ったから行かないよ!」
妹はちびちゃんに小さな声でそう言いました。

また、しばらくして、妹が窓の外を見ると、もう、もっちゃんはいませんでした。
「帰っちゃったみたい…、よかった!」

ちびちゃんは、そんな妹を見ていて思いました。
『ごめんね…、ありがとう』
でも、その時のちびちゃんは、その言葉を妹に伝えることが何故かできませんでした。


-おわり-





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