「2.こすもす」
ー3.ぼくちゃんー
「ねぇ、ねぇ、きみはずっとここに立ってるの?」
わんこは、やっとあたしを見つけて話しかけてくれたの
あたしは、ゆらゆら揺れて精一杯あいさつしたの
「きみのお話、ぼくにはちゃんとわかるからね」
わんこは、あたしのあいさつ見て言ってくれたの
あたしのお話見てくれるのは、風だけって思っていたの…
「ぼくね、きみのお話わかるよ」
だけど、わんこは、言ってくれたの
あたしは、とても嬉しかったの
わんこは、いつも“ぼくね、ぼくね”ってお話してくれるの
あたしは、大好きなわんこを“ぼくちゃん”て言うことにしたの
ぼくちゃんには、あたしのお話が見えるけど…、聞こえないの
だから、ぼくちゃんは知らないの
だけど、大好きなわんこを“ぼくちゃん”って言うことにしたの
風も喜んでくれたの
ー“大好き14”へ続くー
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