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小さな羽根Ⅰ小さな羽根の天使9

(これは物語です)

『小さな羽根』


Ⅰ 小さな羽根の天使9

「ジュナ…、愛しているわ」
「僕もだよ、ミーメ」
「ずっと一緒にいましょうね」
「ああ、ずっと一緒にいてくれ、ミーメ…」
「ジュナ、私、あなたの小さな羽根、可愛くて好きよ…」
「ありがとう…」

ミーメは、ジュナの小さな羽根も抱きしめてくれる時の優しい手も
とても愛おしく思っていました。

小さな羽根を持って生まれたことで、ジュナの心は傷つきすぎて、
悲しみや苦しみに包まれてしまっていました。
だから、仲間とうまく話せなかったり、自分の気持ちを伝えることを
諦めてしまったり…。
そんなジュナの奥にある繊細で崩れそうな心、誰も傷つけまいとする
優しい気持ちをミーメは知っていました。
その傍らにある一度決めたら、やり切ろうとする強い気持ちもミーメは
知っていました。
ミーメは、ジュナをとても愛していました。


ー“Ⅰ小さな羽根の天使10”へ続くー






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小さな羽根Ⅰ小さな羽根の天使8

(これは物語です)

『小さな羽根』


Ⅰ 小さな羽根の天使8


「ねぇ、ジュナ…、あなたは泣いたことないの…?」
「いや…、子供の頃には泣いたよ」
「私、あなたの涙、見たことないわ…」
「ミーメと出逢う前かなぁ…」
「今は泣かないの…?」
「ああ…」
「どうして…?」
「悲しいことがたくさんあって、泣いたって仕方ないって思ったら、いつの間にか…、泣けなくなってたんだ…」

ミーメは、自分の鼓動が聞こえそうなほど、ドキッとしました。

ジュナが一度だけ、ミーメに涙を見せたことがあります。
それは、ミーメがジュナの苦しみ、悲しみを見ていることに耐えられなくなり、ジュナの元を去うとした時です。

「私、もう、あなたを見ていることが耐えられないの…」
「…、ミーメ、ずっと一緒にいてほしいんだ…!」

ミーメを見つめるジュナの瞳からは涙が零れ落ちました。
初めてジュナの涙を見たミーメはその時、ジュナが自分を必要としてくれていることを本当に理解し、彼に二度と涙を流させてはいけないと心から思いました。

「ごめんなさい…、もう、泣かないで、私、ずっと一緒にいるわ…」
「ありがとう…」

ジュナは笑顔を見せてくれました。
ミーメは涙を流しながら、ジュナの笑顔を見つめました。

「子供の頃、約束したもの、私がずっとあなたを守るって…」
「ありがとう…、僕もミーメを守りたい…」


ー“Ⅰ小さな羽根の天使9”へ続くー






小さな羽根Ⅰ小さな羽根の天使7

(これは物語です)

『小さな羽根』

Ⅰ 小さな羽根の天使7

「ジュナはまだ、小さい魂、抱いてるのか…?」
「あの羽根じゃあね」
「あいつ、まだ子供なのか…?」
「しー!、もう私たちと同じ大人よ」

天使たちは、大人になった魂を抱いて“エデン”まで連れて行くようになりました。
子供の頃は、小さなままの魂を抱いて一生懸命飛べば、
魂を一つは“エデン”まで連れて行って帰ってくることができ、
仲間と同じ仕事ができていたジュナでしたが、
大人になり右の羽根が小さいまま体と左の羽根が大きくなって、
子供の頃よりもっと上手く飛ぶことが難しくなっていました。
大人になったジュナには、仲間と同じように大人になった魂を抱いて
飛ぶことは、とても困難なことでした。

神様は、考えて、ジュナに子供の頃のように小さな魂を“エデン”に
連れて行くことを許したのです。

「ジュナは、僕たちとは違うんだよ!」
「うん、ちょっと違うんだよ!」

『僕は、仲間と同じように仕事もできない…』

ジュナは、悩んでいました。


ー“Ⅰ小さな羽根の天使8”へ続くー






小さな羽根Ⅰ小さな羽根の天使6

『小さな羽根』


Ⅰ 小さな羽根の天使6


「ジュナの羽根、大人になっても小さいままだよな…」
「確か、大人になったら大きくなるとか言ってたよな…」
「ジュナのウソだったんじゃないか…?」
「何で、そんなウソをついたんだ…?」
「そりゃ、ミーメによく思われたかったからだよ」
「ミーメの羽根だって、私たちより小さいわよね」
「やっぱり、ジュナがウソついてたのかしら…」

天使たちは、大人になりました。
ミーメは、長い赤毛の美しい天使になりました。
背中の羽根は、仲間の天使よりは少し小さかったのですが、ジュナが言った通り子供の頃より大きく美しくなりました。
ジュナも、ブロンドの髪をした、たくましく美しい天使に成長しました。
ジュナの左の羽根も、たくましく成長した体と共に大きく美しくなっていました。
ただ、右の羽根は小さいままでした。
体と左の羽根が大きくなり、右の羽根は一層小さく見えるようになってしまいました。

仲間たちは、子供の頃のようにジュナをからかったりはしませんでしたが、コソコソ陰口を言うようになりました。


-“Ⅰ小さな羽根の天使7”へ続く-







小さな羽根Ⅰ小さな羽根の天使5

(これは物語です)

『小さな羽根』


Ⅰ 小さな羽根の天使5


「ミーメ、お前たち飛ぶのが遅いもの同士で仲良くしてるのか!」
「ジュナの羽根も私の羽根も大人になったら大きくなるのよ…!そしたら飛ぶのも速くなるわ…!」
「あっ、それ、ジュナが言ったんだろう…?、信じてるのかよ…!」
「ウソじゃないわ!」
「そんなの、何で分かるんだよ!」
「だって…、ウソじゃないわ…」
「ほら、また泣いた!、言ってみろよ!、何で分かるんだよ!」

「やめなよ!、ミーメ泣かせちゃだめだよ」
「ほら、またジュナがきた!」
「ミーメ、あっちに行こう!」
「うん!」

ジュナとミーメはいつも一緒でした。
“エデン”まで手を繋いで、早く飛ぶ練習をしたり、雲の上で一緒にゴロゴロしたり、
夜は雲の上で並んで眠ったり…。
「私ね、一人ぼっちだったの…」
「僕もだよ」
「でも、あなたと出逢って、いつも一人じゃなくなったわ」
「うん、僕もだよ」
「あなたはいつも私を守ってくれるわ」
「あいつがミーメをいじめるからさっ」
「だからね、私も強くなって、今度は、私があなたを守ってあげるわ」
「ありがとう!、僕もずっとミーメを守るよ」
「ありがとう!」


ー“Ⅰ小さな羽根の天使6”へ続くー








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