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小さな羽根Ⅲ名前のない天使4

(これは物語です)

『小さな羽根』


Ⅲ 名前のない天使4


「またジュナを見かけなくなったよな…?」
「え…?、帰ってきたんじゃなかったの…?」
「そうなんだけど…、また最近、見かけなくなったんだ」
「今度は、ミーメも一緒によ」
「何処に行ったんだ…?」

ジュナとミーメは、“エデン”の向こうの“名前のない天使”のところを目指して
飛び立っていました。
再び力を取り戻したジュナは、ミーメと手を繋いで、金色の光の中を飛んでいました。
神様のところよりも、ずっとずっと遠く遠く、長い間飛び続けました。
光の色が金色から銀色に変わり、また、しばらく飛ぶと、ぬけるような青い空が
見えてきました。
そこは、青い空と緑と土の大地でできていました。
ジュナとミーメは、緑と土の大地に降り立ちました。
大地を、ずっとずっとずっと歩きました。
そして、一軒の木の家に辿り着いて足を止めました。

ジュナが扉をノックしました。
扉が開き、中からジュナたちと同じ“天使”が現れました。
ところが、ジュナとミーメは、すぐに言葉が出てきませんでした。
そこに立っているのは確かに天使でしたが、それは、ジュナとミーメが
感じただけで、実際にそこに立っている“天使”からは、色も気配も感じる
ことができなかったのです。


ー“Ⅲ 名前のない天使5”へ続くー





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小さな羽根Ⅲ名前のない天使3

(これは物語です)

『小さな羽根』


Ⅲ 名前のない天使3


「ミーメ、一緒に“名前のない天使”のところに行ってほしい…!」
「でも…、神様にだって直して頂けなかったのよ…!」
「だから、行きたいんだよ、望みをかけたいんだ!」
「でも…、新たな異物を背負うことになるって…!」
「造りものの羽根のこと…?」
「ええ…、神様は、そうおっしゃっていたわ…!」
「それでも、僕は耐えられる!」
「でも、神様に背くことになるのよ…」
「それでも僕は…!」
「あなたが心配なの…、私は、今のままのあなたをずっと愛するわ、
私は、ずっとあなたの側にいるわ…!」
「ありがとう…、ミーメ…、だけど…、僕は…、このままではだめなんだ…、
解ってくれ…」

ミーメは、再びジュナの涙を見ることになりました。
ミーメの心には、命をかけて、遠く遠くその手掛かりを求め、一人小さな羽根で
飛び立った時のジュナの心が痛いほど伝わってきました。

「そうよね、ごめんなさい…、それは、あなたの命をかけた願いなのよね…!、
私、少し臆病になっていたわ…、大丈夫、一緒に行きましょう…、今度こそ、
あなたのその願いを叶えに…」
「ありがとう…、ミーメ!」


ー“Ⅲ 名前のない天使4”へ続くー







小さな羽根Ⅲ名前のない天使2

(これは物語です)

『小さな羽根』


Ⅲ 名前のない天使2


「見つけたんだ!」
「何を…?」
「僕が僕になれる方法をだよ!」
「どういうこと…?」
「“エデン”の向かうに、僕たちの願いを何でも叶えてくれる天使がいるらしい…」
「何でもって…、何故…、何のためにそんなことをしているの…?」
「その“名前のない天使”も、僕たちと同じように、持って生まれた何処か
を直してほしいと神様にお願いしたんだ…、でも、やっぱり、叶えて
もらえなかったんだ…、それで、“ここ”を出て、
神様に復習するために、自分と同じように叶えてもらえなかった願いを叶えているらしい…」
「そうなの…」

「ねえ、名前がないのは、神様が罰をお与えになったの…?」
「いや、名前は自分で封印したらしい、神様から遠ざかるためじゃないかって話だ」

「ジュナ、あなた、一人で“エデン”の向かうまで行ったの…?」
「いや、“ここ”を出て情報は手に入れたけど、“エデン”の
向かうまでは僕のこの羽根だけでは行けなかった…」

ミーメは、ジュナが何故長い間帰ってこられなかったのか理解できました。

『一人で一生懸命に飛んでいたのね…、大変だったでしょう…』


ー“Ⅲ 名前のない天使3”へ続くー





小さな羽根Ⅲ名前のない天使1

(これは物語です)

『小さな羽根』


Ⅲ 名前のない天使1


「もう、ジュナは、帰って来ないんじゃないか…?」
「きっと、もう、“ここ”ではない何処かで暮らしてるのよ」

仲間のそんな言葉にも耳をかすことなく、ミーメは長い間ずっとジュナを
待ち続けていました。

ジュナの姿が見られなくなって何日経ったのか、もう数え切れなくなった
ある朝、眠りから覚めたミーメに向かってジュナがゆっくり歩いてきたのです。
ミーメは、体を動かすことができずに、歩いてくるジュナをじっと見つめていました。

「ミーメ…、ただいま…」
「ジュナ…、何処へ行っていたの…?、探したのよ…!」
「ごめん…、あの日、僕のために疲れきって眠っている君を、
起こすことはできなかったから…」
「…、だけど…、こんなに長い間いなくなるなんて…」
「ごめん…、心配をかけてしまった…」
「でも、よかった、“ここ”に帰って来てくれて…」
「君は、きっと、待っていてくれるって信じていたよ…!」
「ありがとう…!、私もあなたを信じていたわ…!」

ミーメは、元気な姿のジュナを見て、彼がいなかった間の悲しみや苦しみが
スーッと消えていくのを感じました。

ジュナの瞳には、強い光が戻っていました。


ー“Ⅲ 名前のない天使2”へ続くー





小さな羽根Ⅱ天使の願い10

(これは物語です)

『小さな羽根』


Ⅱ 天使の願い10


「大丈夫…?」
「ああ…」
「とにかく…、しばらく休むといいわ…」
「ああ…、そうするよ…」
「私からみんなに伝えておくわ…、あなたは体調を崩してるって…」

力を失ったジュナを支えながら、やっとの思いで“ここ”に帰ってきたミーメは、
その心と共に体もすっかり疲れきっていました。
ジュナを、何と言って慰めたらいいのかと悩みながら、
いつのまにか眠ってしまいました。

長い間眠っていたミーメは、目を覚まし、ジュナの様子を確かめようと
いつもの場所に行ってみましたが、ジュナはいませんでした。
何日も何日も、ジュナはミーメに姿を見せてくれませんでした。
こんなことは初めてでした。
ミーメはジュナを何日も何日も探しました。
それでもミーメにはジュナを見つけることができませんでした。

『ジュナ…、何処へ行ってしまったの…?』

ずっと探して、ミーメは、ジュナが“ここ”ではない何処かへ
行ってしまったことを理解しました。

ミーメには、もう、ジュナが“ここ”へ帰ってきてくれることを信じて
待つことしかできませんでした。

『ジュナ…、帰ってきてくれるわよね…、きっと…』


ー“Ⅲ 名前のない天使1”へ続くー







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