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ショートストーリー21ただ…。

(これは物語です)

ショートストーリー21


『ただ…。』

ただ、好きな服を着てるだけだよ
「どう着てもらったらいいでしょう…?」
難しいことにされると、何だか特別なことみたい…。
ただ、ごはん食べてるだけ、ゆっくり噛んでるだけだよ
「大丈夫ですか…?」
心配ばかりされたら食べられない人みたいに思えちゃう…。

ただ、外にお出掛けするだけだよ
「私らでも、行ったことないのに凄いですね~」
大きなことみたいに言われたら、特別なことみたいに思えちゃう…。
「少しお待ち下さい…」
大変な手続きが必要だったり、早くから決めなきゃいけなかったりするのって…、
やっぱり特別なことだから…?

「やめときなさい!」
ただ、好きなだけなんだけどな…、ただ、一緒にいたいだけなんだけどな…、
なのに、反対されて怒られて…。
やっぱり特別なことなのかなぁ…?

だだ、笑ったり…、ただ、怒ったり…、ただ、泣いたり…、ただ、眠ったり…、
ただ、食べたり…、ただ、愛したり…。
ただ、特別なことじゃなく、生きていたい…!


-おわり-














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ショートストーリー20ねぇ、怒ってる…?

(これは物語です)

ショートストーリー20


『ねぇ、怒ってる…?』

雷が鳴っています。
地響きするように大きく強く鳴っています。
雨だって、アスファルトを割ってしまおうとするように激しく降ってきたりする
ことがあります。
街や山を壊してしまうことがあります。
海だって、襲いかかってきます。
太陽だって、これでもかという程、強く照りつけてきます。

みんなで怒ってる…?
もう、冗談じゃないよ!って、そろそろいい加減にしてよ!って。
あんまりだよね、人間って。
木はたくさん切っちゃうし、海は埋めちゃうし、空気は汚しちゃうしね、もう、
穏やかでなんかいられないよね。

君たちがもっともっと怒ったら、この地球(ほし)は壊れちゃう…?
ねぇ…、怒ってる…?


-おわり-















ショートストーリー19あの日々…。

『あの日々…。』

学校の寄宿舎で暮らしている高校生の少女は、大好きな彼から小さな写真が
入れられるネックレスをプレゼントされました。
嬉しくて嬉しくて…、先生と一緒に、ネックレスに入れられるぐらいの
彼の写真を探しました。
「あっ、これがいいやん」
先生が写真を丁寧に丸く切って、ネックレスに入れてくれました。
少女は、やっぱり、嬉しくて嬉しくて写真が入っているペンダントの部分を
何度も開いたり閉じたりしていました。
「付けてあげよか…?」
先生が少女にネックレスを付けてくれました。

「ここ、暖かいやろ」
先生がペンダント部分が触れている少女の胸の辺りをそっと触れている少女の
胸の辺りをそっと触ってくれました。
「うん、暖かい」
少女は、嬉しくて嬉しくてニコニコ答えました。
「その暖かさ、オトナになっても忘れんときな」
「うん!」
少女は、嬉しくて嬉しくて、やっぱりニコニコ答えました。
「素敵なオトナになりや…」

オトナになった少女は、今でも恋をしていたあの日々、優しかったあの日々を
忘れてはいません。
思い出すと今でも、あの時暖かった胸の辺りに暖かさを感じます。
「素敵なオトナになれてるかなぁ…?」

この世界に優しい時間がずっと流れていますように…。
オトナになった少女は、懐かしい“あの日々”に願っています。


-おわり-










ショートストーリー18大きな大きな木

(これは物語です)

ショートストーリー18


『大きな大きな木』

大地の真ん中に大きな大きな木があります。
その木は、何十年も何百年もそこに立っています。

花々が咲き優しい風が吹き渡る春の日も
緑豊かで暑い日差しが降り注ぐ夏の日も
風爽やかに色鮮やかな枯れ葉舞う秋の日も
冷たい風の中真っ白な雪が舞う冬の日も
大きな大きな木はずっとそこに立っています。

たくさんたくさん雨が降り、雷が激しく打ち続けても
それでも、大きな大きな木は、グッと耐えてそこに立ち続けます。
やがて、雲間から日が差して穏やかな風と時が流れ出します。

真っ白な雪が降り続け、銀世界と凍える冷たい風が
時には吹雪になって大きな大きな木を包みます。
それでも、大きな大きな木は、グッと耐えてそこに立ち続けます。
やがてまた、雲間から日が差して暖かい雪溶けの時になります。

ただ繰り返し大きな大きな木はずっとずっとそこに立っています。
ただ命を持ち、大きな大きな木は、ドン!とそこに立っています。

大地の真ん中に大きな大きな木があります。
その木は、何十年も何百年もそこに立っています。


-おわり-














ショートストーリー17大切なもの

ショートストーリー17


『大切なもの』

マルチーズのクーちゃんは、病気になって、神様の所へと逝ってしまい
ました。
クーちゃんと仲良しだったトチちゃんは、家族と一緒にクーちゃんを
見送りました。
『クーちゃん、また会おうね』

家を出る時トチちゃんは、クーちゃんの写真を一枚もらいました。
トチちゃんは、その写真をいつでも見られるようにケースに入れて、
ずっとずっとずっとずっと大切に持っていました。

クーちゃんとの思い出がとても遠くなった頃、トチちゃんの住む街に
大きな台風がやってきました。
夜中から雷が大きな音で鳴り響き、たくさんたくさん雨が降っていました。
夜明け頃になって、トチちゃんの家は水につかってしまいました。
トチちゃんの寝ていたベットのサクの所まで水が上がってきました。
消防の人たちに助けてもらって外に出ると、辺り一面、水でいっぱいに
なっていました。
トチちゃんがこの街にきてからこんなことは初めてです。
恐ろしい気持ちでトチちゃんは、消防の人たちとザブザブザブザブ避難
しました。

トチちゃんは、避難所に着いて少し休みました。
『あっ、写真…!』
落ち着いてから、ふと思いました。
写真を入れていたケースをポケットから出して、写真を見たトチちゃんは
びっくりしました。
写真の中にいるはずのクーちゃんがいなくなっているのです。
周りの風景も薄くなってグチャグチャになっていました。
ポケットの中で泥水につかって、溶けてしまったのでしょう…?
『えっ、これ何…、クーちゃんが…』
トチちゃんは、とても悲しくなりました。
『ずっと大切にしてたのに…、消えちゃうなんて…』
突然過ぎて、トチちゃんにだって予想できないことでした。

トチちゃんは、写真のクーちゃんや元気だった頃のクーちゃんをたくさん
思い出しました。
クーちゃんは、鮮やかにトチちゃんの心にやってきてくれました。
『クーちゃん、ありがとう!、また会おうね!』
トチちゃんは、大切に心の引き出しにしまっておくことにしました。

形ある大切なものは、いつかは消えてしまうでしょう…。
写真の中のクーちゃんのように突然消えてしまうことも…。
だけど、本当に大切なものは、いつまでもその心にあります。
あなたが思い出せばいつまでも会えるのです。


-おわり-















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