『あの日々…。』
学校の寄宿舎で暮らしている高校生の少女は、大好きな彼から小さな写真が
入れられるネックレスをプレゼントされました。
嬉しくて嬉しくて…、先生と一緒に、ネックレスに入れられるぐらいの
彼の写真を探しました。
「あっ、これがいいやん」
先生が写真を丁寧に丸く切って、ネックレスに入れてくれました。
少女は、やっぱり、嬉しくて嬉しくて写真が入っているペンダントの部分を
何度も開いたり閉じたりしていました。
「付けてあげよか…?」
先生が少女にネックレスを付けてくれました。
「ここ、暖かいやろ」
先生がペンダント部分が触れている少女の胸の辺りをそっと触れている少女の
胸の辺りをそっと触ってくれました。
「うん、暖かい」
少女は、嬉しくて嬉しくてニコニコ答えました。
「その暖かさ、オトナになっても忘れんときな」
「うん!」
少女は、嬉しくて嬉しくて、やっぱりニコニコ答えました。
「素敵なオトナになりや…」
オトナになった少女は、今でも恋をしていたあの日々、優しかったあの日々を
忘れてはいません。
思い出すと今でも、あの時暖かった胸の辺りに暖かさを感じます。
「素敵なオトナになれてるかなぁ…?」
この世界に優しい時間がずっと流れていますように…。
オトナになった少女は、懐かしい“あの日々”に願っています。
-おわり-
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