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彼女ストーリー10彼女のはと時計

(これは物語です)

『彼女のはと時計』

彼女は、彼と一緒に彼が昔お世話になった方のペンションに
泊まりに行きました。
木造りの素敵なペンションで、広いリビングには暖炉があり、
その壁には昔ながらのはと時計が掛かっていました。
『いいなぁ…』
彼女は、彼と一緒に温かなおもてなしを受けながら、はと時計
に心惹かれていました。
“ポッポー、ポッポー、ポッポー、ポッポー、ポッポー”
小さな扉からはとが出てきて、時間の数だけ鳴いて時間を
知らせてくれるのです。
はと時計が掛かっているリビング以外の部屋にいても、
その優しい鳴き声は聞こえてきました。
『ああ…、いいなぁ…』
彼女は、泊まっていた2日間、木造りのペンションや温かい
おもてなしと共に、はと時計のその声に彼と一緒に心癒やされ、
日常のストレスから解き放されていました。

彼女も彼も大好きになったペンションから帰る日がやってきました。
「ありがとうございました、お世話になりました」
「またおいでや」
「はい、またきます」

「はと時計ほしいなぁ…」
彼女は、帰り道彼に言いました。
「えっ、今から買いに行くの…?」
彼は少し驚いたように彼女に聞きました。
「うん、あそこの時計屋さんにあったらほしいな」
「しゃあないなぁ…、ちょっと見に行ってみよか」
彼は、彼女の車いすを押して時計屋さんに向かってくれました。

今、彼女の家のリビングには、可愛いはと時計が掛かっています。
ペンションにあったモノのように“昔ながら”といった感じでは
ありませんが、時計屋さんで出逢って、その優しい声を聞いた時、
彼女は彼に言いました。
「これがいい…!」

彼女のはと時計は、いつもはとが両側に1匹ずついて、時間になる
と真ん中の小さな扉が開いてもう1匹はとが出てきて、3匹揃って
時間の数だけ鳴いて時間を知らせてくれます。
“ポッポー、ポッポー、ポッポー、ポッポー、ポッポー”
優しいその声は、ペンションにあった時計と同じように、どの部屋
にいても、彼女に時間を知らせてくれて、彼女の心を癒やしてくれて
います。
『あっ、もう時間だ』
下を向いて、スマートフォンでお話を創ったりしていても、彼女の
はと時計は、ちゃんと彼女に時間を知らせてくれます。

「はと時計どうや!」
部屋に入ってきた彼が、ヘルメットを取りながら聞いてくれました。
「うん、すごくいい感じ!」
車いすに座っている彼女は、ニコニコ応えました。


-おわり-










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