(これは物語です)
Ⅰ 小さな羽根の天使1
「おい、ジュナ、お前の羽根、何で片っぽだけ小さいんだ!」
「ほんとだ、片っぽだけ小さくて変だよ!」
「こっちの羽根は、大人になったら、ちゃんと大きくなるんだ!」
「ほんとかよ、そんなの!」
「ほんとさっ!」
ブロンドでちじれ毛の小さな天使、ジュナの背中の羽根は右が左よりとても小さかったのです。
ジュナは、いつも仲間の天使たちに仲間外れにされたり、からかわれたりしていました。
「向こうの雲まで誰が一番早く行けるか競争しようよ」
「うん、やろう」
「僕もやりたい!」
「僕も!」
「いいよ、一緒にやろうよ!」
「僕も入れてよ!」
「ジュナはダメだよ!」
「何でだよ!」
「お前、飛ぶの遅いから、仕事までに競争、終わらないだろ」
ジュナは、いつも一人でした。
ジュナは、大人なったら右の羽根も左と同じように大きくなると心から信じていました。
ー“Ⅰ小さな羽根の天使2”へ続くー
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